小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説) 第4話:おまけとあとがき おまけ:二人のあまあまはちみつタイム・その2 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「・・・・・・じゃあ、みんな納得してくれたんだ」 あむ達にコンサートのアレコレや僕の一人旅について話した翌日。 まだ陽も完全に出てない中・・・・・・僕はフェイトと朝の訓練を開始していた。 「一応はね。いや、誘ってこれなのは非常に心苦しいけど」 「こっちのことは心配しなくていいよ。リインも居るし。でもごめんね、私も行けたらいいんだけど」 なんて日常会話を繰り広げながら朝もやのかかる林の中で、人様に迷惑をかけないように訓練中。 黄と黒のラインの入ったのジャージ姿のフェイトと同じ姿で紺色な僕は互いの獲物をぶつけ合う。 なお、僕は木刀。フェイトは長柄の棍棒です。うん、いつも通りだよね。 「いいよ、さすがに担当執務官が離れるわけにはいかないでしょ。というか、僕のほうこそごめんだよ」 フェイトの打ち込みややなぎ払いを見切り、すれすれで回避する。 段々と速度が上がってくるけど、そこは気にせずに回避を続ける。 「ううん。ただ」 フェイトの払いが足元に来る。それを軽く跳んで避ける。だけど、逆の柄がそこを狙って飛んできた。 それを、木刀で受け止め・・・・・・そのまま吹き飛ばされる。 「やっぱり、心配なんだっ!!」 身体を転がすようにして受身を取り、すぐに右に跳ぶ。 ・・・・・・フェイト、そう言いながら飛び込んで上段から棍棒を叩き込んできた。それの回避のため。 てーか、どんなツンデレ? そうだ、これはツンデレなんだ。ツンデレフェイト・・・・・・あ、可愛い。 僕はすぐに飛び込んで、右から木刀を打ち込む。だけど、僕は足を止めた。 下から上へ吹き抜ける風を避けてから踏み込んで、唐竹に木刀を打ち込む。 フェイトは下がりつつ混紡でそれを受け止めて、そこから鍔迫り合いとなった。 「・・・・・・これ、避けちゃうんだ」 フェイトが驚いた声を上げる。もちろんここには理由がある。・・・・・・すぐに身体を捻って、僕の顎に向けて攻撃したの。 フェイトが棍棒の先を返して打ち上げてきた攻撃が、さっきの風の正体。というか、ちょっと鼻の先かすったし。 「まぁ、おかげさまでね。というか・・・・・・鼻の先がひりひりするんですけど」 「うん、ちょっと赤いもの。なら、もうやめる?」 「うんにゃ」 そのまま木刀を押し込みつつ、そのまま後ろに跳ぶ。そして木刀を下ろして無形の位を取る。 「もうちょっとやり合いたいかな。・・・・・・楽しくなってきたし」 「そっか。なら、お互い怪我しない程度にもうちょっと打ち合おうね」 「うん」 そうして1時間経過。二人して汗だくなくらいに暴れて・・・・・・いや、楽しかったけどちかれた。 とにかく、それから辺りの後始末をして、僕達は家に戻る事にした。 二人で組み手の反省会なんんて楽しくやりつつ、明け始めた空を見ている。 なんか、いいなぁ。こういう時間。うん、幸せ。フェイトのこと、独り占めにしてるみたいではあるし。 でも、次に会えるのは明後日か。なにも起こらないといいけど。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「・・・・・・ね、ヤスフミ」 「うん?」 「あれから、進展具合はどんな感じかな」 ちょっとだけなにかを濁したような言葉。でも、言いたいことはそれで十分に伝わった。 ガーディアンのみんなから詳しい話を聞けたかという意味だ。 「ううん、さっぱり。もうちょっと手札晒す必要あるかも。もしくは・・・・・・もっと信頼を得るか」 「そっか。・・・・・・ごめんね」 「なんで謝るの?」 「もし私達がしゅごキャラを見れたら、ヤスフミやリインだけに負担をかけなくて済んだんだけど」 まぁ、確かに。実際見れた時は変身魔法を使ってでも潜入するという案もあったし。 ただ、それを言っても仕方ないでしょ。見えないものはどうしようも無いんだから。 「大丈夫だよ、今のところパスを使うような事にもなってないし。というか、フェイト」 「なに?」 「いや、前から聞きたかったんだけど、中等部にティアナ入れた意味・・・・・・あるの?」 ほとんど絡みないし、正直あれは意味があるのか僕には疑問なのですが。 「うん、一応はね。これ、ティアには内緒にして欲しいんだけど・・・・・・いい?」 僕は真剣な顔でフェイトがそう言ってきたので、それに頷く。 するとフェイトは、安心したような表情を浮かべて、話を続けた。 「ありがと。・・・・・・実は、ちょっとだけ狙いがあったの」 「狙い?」 「ほら、しゅごキャラってあの子達みたいなキャラ持ちの子じゃなくても、見える事があるよね」 それは最初の頃に聞いた話。霊感が強いとか、そういう場合でも見えるらしい。 「もしかしたらティアも見れるんじゃないかなと思ってて。ようするに・・・・・・ティアの中にもたまごがあって、それでって」 「それって、ティアナに明確に夢というか目標があるから?」 「うん」 確かにティアナはなりたい自分が明確にある。たまごがある可能性はあるとも思う。 「・・・・・・でも、本人は見えないって」 「ただ、ティアが認識していないだけという可能性も考えたんだ。まず、理由としてはそこが一つだね」 実際に学生生活の中で過ごせば、見えるように・・・・・・自分の代わりにサポーターとして動けるようになるかも知れないと考えたとか。 あとは潜入というと大げさだけど、執務官として管理外世界での捜査活動も行うかも知れない。その実地研修も込みらしい。 「・・・・・・実地研修に関しては、ティアにはちゃんと説明してるんだ。日々これ精進だもの。 最悪しゅごキャラが見えなくても、こういう状況に対応出来る力は必要かなぁと」 「あー、そういう事か。確かにティアナはミッド生まれのミッド育ちだし・・・・・・それで?」 「それで、だね」 「そっか。うん、納得した。でもフェイト、色々考えてたんだね」 「当然だよ。だって、私がティアを預かっているのは一時期だけのことだもの。 ちゃんと・・・・・・出来うる限り、少しでも先に繋がるものを得ていってほしいから」 フェイトが少しだけ寂しそうに言った。どうやら、フェイトもこの間の僕と同じ事を考えていたらしい。 ・・・・・・なお、その後にティアナが現状に不満があるなら、これまで通りの勉強が出来る場を紹介するつもりだったと付け加えた。 僕は心の中で、だからこの間のお食事時にあんな話をしたんだなと、一人納得した。 「うん、納得した。あと」 「あのね、ヤスフミ」 「うん?」 「そろそろお仕事の話はやめにして、私としては、あの・・・・・・ちょっとラブラブしたいかな」 フェイトはそう言いながら、優しく微笑んでくれた。 それに胸が高鳴って、身体の温度が上がる。だ、だってその・・・・・・凄く可愛いから。 「あ、そうだね。・・・・・・今は二人っきりだもの。恋人タイムなんだから、ちゃんと堪能しないと」 「そういうこと」 すると、フェイトがちょこっと身体を寄せて・・・・・・あ、離した。 それから自分の服や身体の匂いを・・・・・・あ、そうだね。汗かきまくってるから。 「僕は気にしないよ? ほら、汗だらけなフェイトとくっつくことも多いし」 あれはあれでいいものなのよ。フェイト、そういう時でもいい匂いするし。それで、身体・・・・・・すごく熱くなってるの。 普段は透き通るように白い肌がほんのり赤に染まっていて、それをぎゅーってするとなんだか幸せで。 「そ、そういうの禁止っ! えっと、それでもそういうのは気にするのっ!!」 顔を真っ赤にしてフェイトがわたわたしながら反論してきた。あ、なんか可愛い。 「というか、ヤスフミ。あの・・・・・・それセクハラ」 「んじゃ、くっつくのやめようかなー」 「それはだめ。・・・・・・ヤスフミ、意地悪だよね」 「そんなことないよ」 「ううん、意地悪だよ」 そう言いながらフェイトがまた顔を赤くして・・・・・・あれ、おかしいな。フェイト、一体なにを思い出してる? 「・・・・・・優しい方がいい?」 「ううん。いつも優しくしてくれるから、別にいいよ? ヤスフミが意地悪なのはたまにだし・・・・・・いや、たまじゃないかも。この間もまた意地悪だったし」 よーし、この話はやめよう。色々不確定要素が大きい。というか、ちょっと決めた。もっと優しくしていくことにする。 「・・・・・・あ、そうだ」 「ごめんなさい、もっと優しくすることにします」 「あぁ、違うよ。そうじゃなくて・・・・・・ヤスフミ、ちょっと動かないでね」 フェイトはそう微笑みながら言うと、鼻の先にチュっと・・・・・・あの、キスしてくれた。 「・・・・・・フェイト?」 「ちょこっとだけでも怪我させちゃったし、赤くなってるから、あの・・・・・・消毒」 「そ、そうなんだ。・・・・・・ありがと」 「ううん。・・・・・・あ、でもちゃんと出発前には改めて消毒しないとダメだよ?」 「うん」 二人で微笑み合いながら、なんかこう・・・・・・ラブラブモードでまた歩き出す。あぁ、こう、幸せだなぁ。 幸せって・・・・・・こういう事を言うんだなぁ。ずっと続くと嬉しいなぁ。 (本当に続く) あとがき 古鉄≪さて、そんなわけでコンサート編、後編へと続きます。みなさん、久々になんか大暴れした感が漂う今回の話、いかがだったでしょうか。 ・・・あぁ、またフラグ立てましたね。間違いなく立てましたね≫ 恭文「だから・・・立ててないからっ! どうしていきなりそれっ!? あのやり取りのどこにフラグ要素があるのさっ!!」 古鉄≪それは読者様が判断することですよ。とにかく・・・今回のあとがきは古き鉄・アルトアイゼンと≫ 恭文「蒼凪恭文です。・・・いや、真面目に立ててないよ? うん、本当だって」 (そう柔らかく何かを刺激しないように口にする青い古き鉄を、みんなが冷ややかに見る) 恭文「だから、なんでいきなりそんな視線っ!?」 古鉄≪仕方ないでしょ。いくらなんでもこれはありえないんですから≫ 恭文「しゃあないでしょうがっ! いや、自分でもなにがどうしょうがないのかさっぱりだけどっ!!」 古鉄≪さて、子どもであるということと特定の相手が居ないという悲しい嘘により、さっそく歌唄さんにフラグが立ってしまいました。どうするんですか、これ≫ 恭文「だ、大丈夫だって。ほら、原作だとアレがアレなんだしさ。まだなんとか」 (あ、なんか視線が痛くなった) 恭文「なんか突き刺さり始めたっ!? え、どうしてっ!!」 古鉄≪今のあなたの発言が男として非常に最低だからですよ。分かりません?≫ 恭文「・・・ううん、分かる。すっごい分かる。そうだよね、というか僕は今回かなり株下げてるよね」 古鉄≪当然でしょ≫ (青いウサギ、うんうんとうなづく。・・・いや、真面目に最低だろコイツはという空気が、ブース内に漂い始める) 古鉄≪まぁ、今回はこの辺りにしておきますか。とにかく・・・次回に続きます。平和にテロの類も無くコンサートは開演。それから・・・という状況ですが、どうなるんでしょ、これ≫ 恭文「そこもご期待って感じで。とにかく、今日はここまでっ! お相手は蒼凪恭文と」 古鉄≪古き鉄・アルトアイゼンでしたっ! それでは・・・またっ!!≫ (そうして、痛ーいムードを気にしている青い古き鉄を映しながら、カメラ・フェードアウト。 本日のED:ほしな歌唄『迷宮バタフライ』) 恭文「・・・・・・ほしな、歌唄かぁ」 古鉄”中々面白い子でしたね。お高く止まってるかと思いましたが、そうでもない。 というより・・・・・・真剣でパワフルなんでしょうか。体育会系な感じがしますね” 恭文”そうだね。・・・・・・あ、早めに住所とか教えておかないと。それでライブだよライブ。 一応CDとかでも予習しておこうかなぁ。うし、ちょっとニコ動で” 古鉄”いや、買いましょうよ。それで売上げに貢献です” 恭文”それはもちろんだけど、今日は無理だもの。でも、今日帰ったらすぐチェックしたいしさ。あー、でも悪い事しちゃったなぁ” 古鉄”何がですか” 恭文”胸糞悪いもの、見せちゃったから” 古鉄”・・・・・・そうですね。やっぱり、戦う時点で最悪手ですか” 恭文”そうだね。うん、そうだ。最悪手で最低で・・・・・・ホント、どうしようもないね” (おしまい) [*前へ][次へ#] [戻る] |