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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第30話 『???』:2




ー奴らが帰ってくるー





「はぁぁぁぁぁぁっ!!」





ー奴らが・・・帰ってくるー





≪まだまだ行けますよね?≫





ー過去やらIFやら時の電車とのお話なんかも超えて・・・奴らが・・・帰ってくるっ!!ー





「もちろんっ!!」





ー新連載 とある魔導師と機動六課の日常 Second Seasonー





テーマソング 『JAP abingdon boys school』





ー一つの戦いを超えた古き鉄が向かうは・・・海鳴、そしてドイツー





「さー、美味しいもの食べるぞー!!」

≪目的変わってるじゃないですか≫





ーその旅を終えた古き鉄が帰るべき場所・・・六課に戻った時・・・事件が起こるー





「あの・・・はやて、それってマジ?」

「マジや」





ーそこから巻き起こるはファーストシーズンを越えるギャグー





「だから、エリオの影が薄いのはツッコミがダメだからなんだって」





ー弄りー





「だからどうしてそうなるのっ!?」





ーバトルー





【「紫電・・・」】

【「氷花・・・!」】

【「一閃っ!!」】





ー魔王ー





「だから・・・私、魔王じゃないよっ!!」

「いや、もう魔王だから。全てにおいて魔王だから」





ーヘタレー





「・・・うわ、マジ最悪だわアンタ。それはちょっとありえないでしょ」

「恭文・・・どうしてそうなの?」

「なぎさん、ヴォルテールに踏んづけられる?」

「待て待てっ! これには色々条件が」





ー恭文とフェイトのラブラブっぷりー





「フェイト・・・ホントに、大丈夫?」

「うん・・・。大丈夫だよ」





ーそんな時間を過ごしつつ古き鉄が立ち向かうのは・・・ー





「あ、あれ・・・なんでこんなことに?」





ー未だかつて無い最大の危機ー





「・・・アルト」

≪かなり・・・マズいですよね≫





ーあの地でその脅威に立ち向かい、守りたいものを守るため・・・古き鉄が立ち上がるー





「このままだと・・・次元世界が崩壊するかも」

≪そうなると、噂になってる超・電王見られませんよね≫

「それは嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」





ーとある魔導師と機動六課の日常 Second Seasonー





「こうなったら・・・アルト、やるよっ!!」

≪仕方ありませんね、なんとかしましょうか。そして・・・≫

≪「超・電王、必ず見るっ!!」≫





ー近日・・・公開。・・・多分ー





「待て待てっ! 多分ってなにっ!?」

≪その前にギンガさんルートやミッション話を終わらせないといけないからですよ≫

「・・・納得した」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・あの、前にも話したけど、騎士になりたいんだ」



思い出すのは、あの時の時間。具体的に言うと、第22話の後半。

胸を占めるのは、恐れと希望。若干恐れが強い。拒絶されるんじゃないかという恐れ。やっぱり、こういうのは慣れない。



「・・・そっか。確かにそれは、嘱託や局員は関係無いね」

「でしょ? それで、まだあるんだ。騎士になって、何をしたいかって話」



でも、ここからが重要なんだ。



「その・・・それでね。話が飛ぶんだけど、JS事件の時、後悔した」

「後悔?」

「・・・フェイトのこと、守れなくて」



瞬間、フェイトの表情が変わった。僕が何を言いたいか、分かったんだと思う。

そう、最終決戦の時に僕はフェイトを、守れなかった。折れそうに、壊れそうになってたのに、何も出来なかった。



「あの、ヤスフミが気にすることじゃないよ? あれは、私が・・・」

「そうだね。でも、何も出来なくても、側に居ることは出来たなって、考えた」





だからその・・・あれなんですよ。



『守りたいものがある。そのために剣を振るい、業を背負う覚悟があるなら・・・それが出来るものは、皆、等しく騎士』



・・・出稽古の時、シャッハさんが言っていた言葉だ。



そして、僕の所業は、騎士の所業だとも言ってくれた。あれから、ずっと考えていた。あの人の言葉も合わせて。



僕みたいなのを騎士とするなら、騎士としての僕の守りたいものは?

何のために僕は、業を背負う覚悟をする?

ここ最近の色んなことも含めて、ずっと・・・考えていた。





「そう考えて・・・分かった。その、僕が騎士になりたいのは、そうして守りたいのは・・・」





世界でも、そこに住む不特定多数の人達でもない。ましてや局でもない。守りたい今とこれからの中で、絶対に守りたいのは・・・。



フェイト・・・なんだ。



フェイトが泣いてたり、辛い思いをしてるのなんて、絶対に嫌だ。あの時みたいなのはごめんだ。だから・・・その・・・!





「ヤスフミ・・・落ち着いて?」



声は、目の前から。見ると・・・フェイトが顔を赤くしてた。だけど、それより赤いルビー色の瞳が、優しく僕を見ていた。



「大丈夫、私・・・ちゃんと聞くから」

「・・・うん」

「それで、なにを守りたいの?」

「・・・フェイトだよ」



ごめん、もう止まんない。



「あの、フェイトからすると迷惑かもしれないけど・・・」



つか、きっと・・・そうだよね。でも、言わなきゃいけない。絶対に。



「僕は・・・その・・・。例えば補佐官になったりして、フェイトのすぐ隣に居たい。
それで、フェイトが笑顔でいられる時間とか、フェイトの今とか、幸せとか・・・」





・・・うん、そういうのを、守りたい。





「フェイトの全部を守りたい。それが出来る、フェイトの騎士に・・・なりたいんだ。というか・・・なれたら、いいなと・・・」



















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪・・・はい、こちらは本編27話のおまけ。時間軸で言うなら、先ほどのシーンの数時間後です。つまり、マスターはこういう方向で動きたいわけですよ。
いや、結局これなんですよね・・・。なんというか、そんなにフェイトさんが好きですか?≫

恭文「好きに決まってるでしょうがっ! その・・・そうじゃなかったら、守りたいとか、8年片思いとかしないからっ!!」





(閃光の女神、顔が真っ赤。というか、スチーム。どうやら思い出して照れているらしい)





古鉄≪そして・・・みなさん、これを呼んだ時にお気づきかと思いますが、これでマスターは一つ大ポカをやらかしてるんです。なんとそれは・・・≫

恭文「ま、待ってっ! それはやめてー!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・ヤスフミ、私の側に居て・・・騎士として、守りたい。そう言ってくれたよね」

「・・・うん」



言った。これからしたいこと。居たい場所。やっぱり・・・そこかなと。



「あのね、その・・・。言われた時からずっと思ってたの。うん、たくさん。それで、ちゃんと確認させて?」



フェイトは、そこまで言って深呼吸する。そして・・・言葉を続けた。



「あの言葉は・・・ヤスフミからの告白で・・・いいのかな?」




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?




















「・・・こくはく?」

「うん。・・・その、側に居たいや、私の騎士になる・・・だから、そうかなと」




















・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? そ、そうだよっ! そうなるじゃないのさっ!!










言ってることはともかく、そういう行動を取れば当然・・・! ぼ、僕のバカァァァァァァァァっ!!




















「・・・違うのかな?」

「あの、違うと言うか違わないと言うか・・・その・・・あの・・・!!」



完全に頭はパニック。だって、無自覚に切り札切ってたんだから。というか・・・どうしようっ!? 違うと返事を・・・でも違わないよっ!!



「ヤスフミ」



そのフェイトの言葉で、パニックが止まる。だって、それだけじゃなくて、まっすぐにフェイトに見つめられているから。



「私は、ヤスフミの正直な気持ちが聞きたい。・・・教えて」



僕の・・・。そんなの、決まってる。何度も言葉にして、何度も更新してきたから。

だから言える。迷わずに、今ある気持ちを・・・。



「好きだよ。フェイトのことが・・・すごく」



口にした時から、心の中がざわつき始めた。いつもとは違う。答えは・・・ここで出る。怖い。すごく。



「・・・ありがとう。嬉しいよ。でも・・・」



ダメ・・・かな?



「あの、何度か言ってるけど、私に時間をくれる?」

「え?」

「ちゃんと考えて返事をしたいから。・・・8年分の想いに、ちゃんと応えたいの」



8年? え、どういうことですか。



「ヤスフミ、私に何回も・・・告白してくれていたよね?」



えぇっ!? いや、確かにしてたけど・・・いつ気付いたのっ!!



「・・・一ヶ月前のデートから。うん、あれで気付いた。私が今まで、ヤスフミのこと沢山傷つけていたのに」

「あの、そんなことない。それを言ったら僕だって・・・無茶ばかりして、フェイトにいらない心配ばかりかけてた」



止まれなくて、止まりたくなくて。迷って取りこぼすのなんて絶対嫌で・・・。それだけじゃなくて、どこかで自分も縛ってた。うん、自業自得だわ。



「・・・うん、心配だった。ヤスフミ、本当にフラっと居なくなっちゃいそうだったから。家族が居なくなるのなんて、私・・・嫌だった」

「・・・ごめん」



考えればフェイトは、そういう経験を何回かしている。母親であるプレシア・テスタロッサに、その使い魔で教育係だったリニス。

僕、フェイトがそういうの嫌なの分かってたはずなのにな。うん、本当にバカだ。



「あの、それで・・・えっと、少し話が逸れたけど、アレで気付いたの。ヤスフミが私に沢山・・・言葉と想いを届けてくれていたことに」

「そんなこと」

「あるよ。・・・嘱託試験の時、プロポーズしてくれたり」



・・・お、思い出させないで。勢い任せにも程があると、反省してるんだから。



「補佐官の資格を取って、助けようともしてくれた」



・・・数年、IDカードのコヤシでしたが。



「それなのに、私・・・気付かなかった。今なら分かる。ナカジマ三佐とのパーティーの時、ヤスフミをどれだけ傷つけていたのか。
私がヤスフミを『家族』や『弟』なんて言う度に、すごく辛い思いをさせてたことが。・・・ごめん。ちゃんと気付けなくて」

「あの、そんなことない。フェイトはちっとも悪くないから。僕がちゃんと言わなかっただけで・・・」

「ううん、言ってくれていた。そうだよね」



まぁ・・・ね。うん、一回ではない。ただ話の中に出ていないだけで。



「だから、時間が・・・欲しい。その、情けない話なんだけど、一月考えても・・・まだ答え、出ないの」

「・・・そっか。今までの頑張りだけじゃ、フェイトの心は射止められませんか」

「・・・ごめん」



そんなに申し訳なさそうにしなくても・・・。まったく。



「じゃあしゃあない。もっと頑張ることにする」

「え?」

「だから、もっと頑張る。強くなる。成長する。それで・・・フェイトのこと、振り向かせるから。
だから、それを見ててくれる? 僕は僕のやり方しか出来ないけど、それでも・・・変わっていくから」





今までの枷を、少しずつでもいい。外して、新しい僕を始める。忘れずに、下ろさずに。バカかもしれないけど、それが僕の答え。



うん、それはこれで終わりじゃない。まだ・・・始まりなんだ。

だったら・・・ね。楽しくいきましょ。僕らしいノリでね。





「それで・・・本当にいいの? 私、どう返事するか、約束出来ない」

「いいの。フェイトが今と、これからの僕を見て答えを出してくれるなら・・・それで」



真っ直ぐにフェイトの顔を、瞳を見つめる。大丈夫だからと、ニッコリ笑いつつ。



「・・・分かった。じゃあ、見ていくね。今までと、これからと・・・今のヤスフミを」

「うん」

「でも、ずっとこのままじゃない。ちゃんと、私の答えを出して、ヤスフミに伝えるから。それまで・・・待ってて、くれる?」

「・・・うん」



時間、少しくらいかかってもいいよね。今までとは違うんだから。少し怖いけど・・・でも、それ以上に嬉しい。ちゃんと見てくれるから。



「ま、覚悟はしといてよ? これからビシバシアプローチしていくから。ある人曰く、『お前、僕に釣られてみる?』・・・ってね」

「それは誰が言ったの・・・?」



ウラで亀で青くてロッドで嘘つきな人だよ。



「あ、でもそういうのは、あんまりやり過ぎると評価に響くのであしからず・・・だよ」

「・・・厳しいね」

「当然だよ。ヤスフミは、未来の旦那様になるかも知れないんだしね。しっかりと見ていかないと。簡単には釣られません」

「納得した。・・・つかフェイト、それヒロさんとサリさんに言われたんでしょ?」

「どうして分かるのっ!?」

「分かるのよ」










・・・とにもかくにも現状維持。だけど、変化はしていくらしい。





フェイトは、応えてくれた。気付いて、見ていくねと。





うん、頑張ろう。フェイト・・・僕に、釣られてもらうからね?




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪・・・はい、というわけで・・・実は先ほどのシーンは、マスターの告白シーンでもあったわけですよ。いや、まさか自覚無しに大砲ぶっぱなすとは・・・あれ? どうしてあなた机に突っ伏してるんですか。
ほら、ちゃんと顔上げてくださいよ。なんだか私が悪いみたいじゃないですか。・・・まぁ、ここはいいでしょ。それで、フェイトさんは現在マスターに釣られてるわけですが≫

フェイト「釣られてないよっ! その・・・まだ、審査中だから・・・」

古鉄≪あぁ、そうですね。審査中と言ってマスターを理不尽に束縛して≫

フェイト「あぁ、ごめんなさいごめんなさいっ! ちゃんと答え出しますからー!!」





(どうやら、色々と変えていく気は満々らしい。まぁ、いいことだと思う)





古鉄≪・・・さて、まず皆さんにお礼を。名シーンや名セリフ募集に応えてくださって、本当にありがとうございます。今回のお話は、そんな皆さんのお気持ちによって生まれました。本当なら、予定なかったですしね≫

フェイト「あの、全部はご紹介出来なかったんですけど、本当に・・・本当にありがとうございます。ほら、ヤスフミもだよ?」

恭文「またこういう形で話が作れれば・・・いいなぁ。よし、セカンドシーズンも頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いします」





(そう言って、三人でペコリとお辞儀。そして、表情はとても嬉しそう)





古鉄≪というわけで・・・今回のお話を持って『とある魔導師と機動六課の日常 First Season』は終了となります。皆さん、長い間ご愛読ありがとうございましたっ!!≫

恭文「次からは・・・『とある魔導師と機動六課の日常 Second Season』として、第1話から再スタートします。みなさん、ご期待くださいっ!!」

フェイト「えっと・・・更にパワーアップするギャグとバトルと魔王とヘタレと私とヤスフミのラブラブっぷりに期待・・・って、なにこれっ!? 三つ目からは余計だよねっ!!」

恭文「真面目にセカンドシーズンをどうするつもりっ!? 作者はさっ!!」

古鉄≪余計なものなんてなにもありませんよ。それでは・・・またセカンドシーズンでお会いしましょうっ! 本日のお相手は古き鉄・アルトアイゼンと・・・≫

恭文「セカンドシーズンでは海外ロケに期待な蒼凪恭文とっ!!」

フェイト「あの・・・えっと・・・答えはすぐに出しますっ! それは・・・その、絶対に絶対っ!!
セカンドシーズンを頑張りたいと思うフェイト・T・ハラオウンでしたっ!!」





(それから、三人で呼吸を合わせて・・・声を上げる)





恭文・フェイト・古鉄≪「「いつかっ! 未来でっ!!」」≫










(そうして、三人でいつものようにカメラに手を振りながら・・・フェードアウト。
本日のED;ファーストシーズンのテーマソング『AAA Climax Jump the Final』)




















おまけ:再臨のその前に・・・




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



季節は新暦76年の1月末。もっと言うと、電王クロスが終わった直後。はい、過去話とかIFルートとか色々あって久しぶりな感じが全然しないけど、お久しぶりです。いや、そうなのよ? 今回のおまけは、一応本編として書いてるわけだからさ。





とにかく・・・自分達の時間の中へと帰っていったみんなとの別れから数時間後。僕は・・・自宅で荷物整理。というより、旅行の準備。





そう、僕はしばらくミッドを離れる。なので・・・着替えを用意したり、家にある生ものを整理したり・・・。





まぁ、事件のせいと怪我の治療のおかげでずっと隊舎に居っぱなしだったから、その辺りは大丈夫なんだけどね。それでも、一応ってことで。





とにかく、着替えをしっかり畳んでリュックに詰め込んで・・・うし、あとはあれだね。





僕は、ホルスターと銀色に光る刃達を取り出した。










≪・・・いきなり暗器整理っておかしいでしょ≫

「しゃあないでしょ。絶対に使うことになるんだから」



僕がミッドを離れる理由は一つ。・・・事件中、僕は図らずとも踏み込んだ。神の速度の領域に。でも、そこに踏み込むことは・・・やっぱり危険なことで。

とにもかくにも、それを自分のコントロール下に置く事が今回の旅行・・・いや、修行の目的。そうじゃないと、意図せず踏み込んで大怪我する可能性がある。現に、今回はしかけた。



「・・・神速・・・か。まさか使えるようになるとは、思ってなかったな」



ホルスターに飛針を一つずつはめていく。これはうちで常備している分。あの人の所にもあるだろうけど、それでも・・・なのさ。

えっと、鋼糸はさっき確認したから大丈夫。で、小刀もバッチリ。あとはこれを整理すれば・・・OKと。



≪詳しい解説はセカンドシーズン1話でするとして・・・それは私だって思ってませんでしたよ。・・・そう言えば、貫はどうなんですか?≫

「うーん、士郎さん達の見立てだと、出来てる時もあるらしいけど、普段の状態だと精度はあんまり高くないんだって。そもそも、僕の攻撃は攻撃や防御や回避ごと叩き潰すのが基本でしょ?
それらをかいくぐり、攻撃を届かせる貫はそれと相性悪いんじゃないかーって」

≪正反対な戦法ですしね。それ故に出にくい・・・いや、使わないと≫



なんて話している間に、ホルスターに全部の飛針を入れ終わった。うし、これでオーケー。



「・・・あぁ、でも怖いなぁ。フィリスさん、絶対無茶したの見抜いてくるだろうし」

≪あなたはまだいい患者じゃないですか。士郎さんや美由希さん達に比べたらまだまだ≫



・・・まず、僕が向かう先は海鳴。そこには僕が数年前からお世話になっているフィリス・矢沢先生という人が居る。で、この人が専門外なのにも関わらず整体のスペシャリストなのだ。

なので、僕も定期的にマッサージやテーピングの撒き方なんかを教えてもらってるんだけど・・・非常におっかない人でもある。あ、訂正。言う事を聞かない患者には・・・だね。普段はとても優しくて温厚な人だから。



「でも、頑張ろう。具体的には・・・怒られるのは覚悟しよう」

≪その方がいいですね≫





まぁ、とにかくこれで荷物整理は終わり・・・と。時計を見ると、時刻はもう夜の9時。明日早いんだし、もう寝ることにした。

というわけで、布団を敷いて、枕を置いて、寝る前に・・・そうだ、ホットミルクでも飲んで心を落ち着けよう。明日は絶対大変な事になるだろうし。



布団を敷いてからそう思った僕は、さっそく台所へ・・・。



ピンポーン





「・・・へ?」

≪こんな時間に来客ですか。誰でしょ≫





いや、誰でしょって・・・。まぁ、知り合いなのは間違いない・・・はず。



とにかく僕は、部屋に備え付けてあるパネルを操作。玄関前の様子を見ると・・・居た。知り合いが。

金色の長い髪に紅い瞳。そして優しげな顔に僕より高い身長の女の子・・・フェイトが。服装は私服。茶色の長めのコートを着て、足からジーンズ生地のロングスカートが見える。あ、パンツルックだ。珍しい。

あと・・・僕が前にプレゼントしたマフラー。そして、手にはなぜか大き目のボストンバック。えっと・・・なんで?



そういうのも含めて、なんでフェイトがこんな時間に来たのか分からないけど、とりあえず玄関に行き、ドアを開ける。

すると・・・当然のように目の前に居た。僕の大好きで、大切な女の子が。

僕の顔を見て、優しく笑う。





「あの・・・こんばんわ」

「うん、こんばんわ。というか・・・どうしたの?」

≪・・・私、スリープモードに入ってますね≫



いきなりそう言ってきたのは、胸元の青い宝石。えっと・・・え、なんでっ!?

でも、本当に入った。だから、何の反応も示さなくなった。ま、また勝手に・・・。



「えっと・・・ね、ちょっとだけヤスフミと話がしたくて。というか・・・あの・・・えっと・・・」



フェイトの顔が赤くなる。それで恥ずかしそうに・・・なんというか、もじもじしてる。



「今日・・・ここに泊まってもいいかな」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ!?




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



とりあえず、中に入れた。フェイトはコートを抜いて、マフラーを外して、バックを置いて、思いっきりくつろぐ体勢。なので、僕はホットミルクを出した。美味しそうに飲んでる。うん、そこはいい。





現在、僕達は部屋のソファーに隣同士で座って、ゆっくりミルク飲んでる。なんかフェイトがそうしたいって言うからそうしてるけど、そこはいい。





問題は・・・さっきの発言だよっ! と、泊まりたいって・・・あの、いきなりなんでそうなるのさっ!?










「あの・・・えっと、ヤスフミともっと仲良くなりたいから・・・じゃ、ダメかな」

「・・・フェイト、それじゃあ要領を得ないから、こう・・・もうちょっと分かりやすく」



なんというか、それじゃあダメに決まってる。

フェイトは・・・審査中で、まだ恋人とかそういうのじゃないわけでして、だから・・・あの・・・ダメなのっ! いや、前にお泊りデートとかしたけど、それでも・・・あの・・・ダメっ!!



「・・・なら、恋人になれば・・・いいの?」

「え?」

「私達が、恋人同士なら・・・私、ここに泊まれる?」



そ、それは・・・その・・・えっと・・・。

あぁぁぁぁぁぁっ! こんなのどう答えりゃいいのさっ!? つーか、いきなりこんな話になるのさっ! マジでわけわかんないしっ!!



「あのね、私・・・最近変なんだ」



フェイトが真っ直ぐに僕を見てそう言ってきた。ホットミルクを入れたカップを強く・・・ギュッと握り締めながら。

なんか真剣な話っぽいので、そこに乗っかる事にした。とりあえず・・・話さないと僕はさっぱりでわけわからないし。



「変・・・って?」

「前は・・・ね、ヤスフミが他の女の子・・・例えば、スバルとかティアとか、ギンガだったりシャマルさんやすずかだったり・・・そういう子達と仲良くなるの、嬉しく思ってたの。ううん、仲良くなって、付き合うことになったらいいなとも思ってた。ようするに、応援してた」



そう言われて・・・思い出す。うん、応援してたね。そして・・・されたね。それはもうすごい勢いで。

あんまりだったから、僕は頭痛かったもの。



「あの、理由ならあるの。・・・ヤスフミ、実の家族が・・・アレ、でしょ?」



フェイトが少し言いにくそうに話す。・・・そう、僕の家族は非常に・・・最低だった。家庭崩壊もいい所で、家族って何の意味があるのか、あんま分からなかった。

今は、違うよ? 家族っていいものだって、そう思うから。



「それで、ヤスフミは誰かとそういう付き合うとかそういうの無かったから・・・もしかしたら、自分の家族とか作るの・・・嫌だったのかなって、ちょっと思ってたの。
ハラオウン家にも、結局養子縁組という形にはならなかったから」



・・・そう、だったんだ。そして、そのフェイトの言葉を聞いて思った。やっぱり・・・心配かけまくってたんだと。

あはは・・・。自業自得もいいところだね。8年間のスルーはさ。



「あの・・・フェイト、それはちょっと違うよ。僕、確かに家族はアレだけど、その・・・付き合わなかったのとか、ハラオウン家に養子に入らなかったのは・・・えっと」

「・・・うん、私の事、想っててくれたから・・・だよね」



そう、フェイトが好きだったから。それが一番の理由。リインとはまた違う意味合いで誰かを大好きになって、強く・・・守りたいと思って、だから・・・その、躊躇った。



「あとね、母さんから聞いた。養子縁組の話をした時、ヤスフミ・・・私の事気にしてる様子だったって」

「うん、気にした。そうなったら、フェイトとは本当に姉弟になっちゃうから。そうなったら・・・フェイトの事、諦めなきゃいけなくなるから」



なので、リンディさんは気遣ってくれて保護責任者という形だけで留めてくれたのだ。それでも、自分達はこれから家族で、仲間だからと・・・言ってくれた上で。



「それでね。少し話が逸れたけど、私・・・もうそういう風に、応援とか出来なくなってるんだ」



フェイトの視線が強くなる。だけど・・・気づいた。

紅い瞳が揺れていることに。



「ヤスフミが他の女の子見てたり、仲良くしてたりすると・・・私、自分でも信じられないくらいにヤキモチ・・・妬いちゃうの」



きっと、揺れてるのは、不安。そんな感じを受けた。

そして、また気づいた。頬が赤く染まっていることに。



「ヤキモチ妬いて、イライラして、全部独り占めにしたくなるの。それで、余所見なんてしないで、私の事だけ・・・見てて欲しいって考えて」



顔・・・近くなった。息が、顔にかかって、少しくすぐったい。



「それだけじゃなくて、あの、えっと・・・ヤスフミと居ると、凄く幸せで・・・この間の観覧車に乗った時も、手を繋いでて、嬉しくて、楽しくて・・・。つまり・・・その、えっと・・・」

「う・・・ん・・・」

「前に私、言ったよね。少しだけ分かった事があるって」



・・・イマジン連中と戦ってた時の話・・・かな。もっと、ちゃんと分かったら、僕に話してくれるって言ったの。



「うん、そうだよ。記憶・・・本当に全部無くして、それで気づいたの。答えを出すと約束した事も、好きだとずっと言い続けてくれていたことも、全部思い出した時にやっと分かった。それでその、私・・・」



何時の間にか向き合っていたフェイトの身体が、揺れてる。・・・ううん、震えてる。



「友達や、仲間や、家族としてじゃない。一人の男の子として・・・」



それでも、真っ直ぐに僕を見る。そして、唇が動いた。



「ヤスフミのこと・・・好きみたい」



その言葉が胸を貫いた。一瞬、何を言われてるのか分からなかった。でも・・・理解した。



「気づいたばかりで、なりかけで、とても弱い気持ちかも知れないけど・・・でも、好き。私、ヤスフミの事・・・好きなの」



それで、呼吸が止まった。



「ホント・・・に?」



止まった呼吸を何とか再開させて、そうして口から出てきたのは、そんなありふれた言葉。だけど、それしか聞けなかった。



「ホント・・・だよ。あの、ごめん。ビックリ・・・させたよね」

「・・・かなり。あの、嬉しいの。それが本当なら、すごく嬉しい。でも、あの・・・いきなりだったから」



心臓の鼓動がすごい勢いで高鳴る。耳にまでその音が聞こえてくる。なんというか、苦しい。

あ、そう言えば一つ気になることが。



「でも、なりかけって・・・なに?」

「・・・あのね、本当は・・・もうちょっと気持ちが固まってから、話そうと思ってたの。気づいて、それで・・・もうちょっとだけ、気持ちをしっかり育ててから言おうと思ってて。でも・・・それはダメだって気づいたの」



フェイトはそう言いながら・・・右手で僕の頬を撫でる。それが、すごく心地いい。でも、ちょっとくすぐったかったり。



「なりかけでも、私・・・すごいヤキモチ焼きなんだ。余所見なんて、絶対にして欲しくない。
でも、現状私達・・・恋人でもなんでもなくて、それなのに縛ることなんて出来なくて、ヤスフミが例えば・・・例えばだよ? 他の女の子見たりしても、それは・・・あの、文句なんて絶対言えなくて」



そう言われて・・・改めて気づいた。僕達、まだ友達な関係で、フェイトが他の人を見ても僕が文句が言えないように、フェイトも・・・同じなんだと。

距離が近くなって、あんまり意識してなかった。だけど、そういうもの・・・なんだよね。今の僕達の関係はさ。



「それだけじゃないの。このまま審査してたら、私・・・ヤスフミに色んな我慢をさせる」

「我慢なんて・・・しないよ?」

「するよ。その・・・そうなると、審査中の間はずっと、恋人でもないのに私が縛り付けるような事になるし、あと・・・色々と。お・・・男の子にも生理ってあるわけだし」



フェイトが顔を真っ赤にして、恥ずかそうに言ってきた。で、僕も身体が熱くなる。い、言ってる意味が・・・色々分かった。



「だから、決めたの。私は、そんなのもう嫌。私のワガママで、ヤスフミのこと振り回したくないの。だから・・・あの、なりかけだし、これから私の気持ち、どうなるかわからないけど・・・ヤスフミと、恋人に・・・なりたい。
好きな気持ちは間違いないから、それでも、ちゃんとした形でヤスフミと繋がりたいの。あの・・・ダメ、かな」



震えた声で、必死に声を絞り出すようにして・・・そう言ってきてくれたのは、フェイト。なんだろ、こう・・・胸が苦しい。心臓、まだドクドク言ってる。



「ダメ・・・というかさ、フェイトってホント、ワガママだよね」



僕がそう言うと、フェイトが固まった。・・・うん、ワガママだ。すっごくワガママだ。



「審査中って言ったりいきなり恋人になりたいって言ったり。僕の都合なんておかまいなしだし」

「・・・・・・・・・・・・・うん、そうだよね。ゴメン、私すごく勝手だし、ヤスフミに甘えてばかりだし、ほんとに・・・ダメだよね」



落ち込んだ表情を見せるのは、目の前の女の子。なので僕は、近くのテーブルにコップを置く。フェイトのコップも取り上げるようにして、そこに置く。そのまま・・・フェイトの両手をギュッと握った。



「でも、僕もワガママだから・・・文句、言えないかな。あのね、フェイト」

「・・・うん」



フェイト、ビックリした顔をしたけど、すぐに僕を見る。瞳が潤んで、頬を紅く染めて・・・凄く、可愛い。



「僕、もっと頑張る」

「え?」

「それで、なりかけなの・・・『好きになってる』に変えるから。その気持ち、ずっと・・・ずっと更新し続けるから。だから・・・あの、それでいいよ。
僕も、フェイトと・・・恋人になりたい。なにか有ったら、二人でなんとかクリアしてこうよ。そうすれば・・・大丈夫でしょ」



僕がそう言うと、フェイトが・・・笑った。嬉しそうに・・・優しく、僕の大好きな笑顔を浮かべてくれた。



「・・・うん、あの、それじゃあヤスフミ」

「うん?」

「これから・・・よろしく、お願いします」

「うん、よろしくね。フェイト」



そんなちょっとだけ他人行儀な発言がなんだかおかしくて、二人で顔を見合わせてクスリと笑う。そして、それからそのまま見つめあって・・・。



「あ、あの・・・ヤスフミっ!?」

「なに?」

「なに・・・じゃなくて、どうして泣いてるのっ!?」



言われて気づく。涙・・・溢れてる。僕、ボロボロ泣いてた。



「ごめん。あの・・・なんか変だね。すごく嬉しいのに・・・」

「・・・そっか」



左手で涙を拭いながら、笑ってそう応える。フェイト・・・なんか嬉しそうに笑ってる。あ、あの・・・ちょっと頑張ろうかな。

ゆっくりとフェイトに右手を伸ばす。その時に、フェイトの柔らかい首筋に触れる。そこから・・・撫で上げるようにして、左手を頬に持って行く。フェイトはくすぐったいのか、身体を一瞬ピクンとさせる。その時に、少し目を閉じたけど、かまわずに頬に手を当て・・・優しく撫でる。



「・・・あ、そう言えば今日・・・泊まりたいんだよね」

「う、うん・・・。なりかけなのを変えたいから。ヤスフミの事、もっと・・・好きになりたいの」



手から伝わる感触が、ふにふにして、すべすべしてとても心地いい。



「もう、私達友達じゃなくて・・・その、恋人同士で、付き合ってるから・・・大丈夫、だよね?」

「・・・一応は」



そのまま・・・フェイトが左手を僕の手に重ねる。な、なんか柔らかいののサンドイッチで気持ちいいかも。



「じゃあ、あの・・・二人で夜通し話でもする?」



そう言うと、フェイトがなんかつまんなそうというか、膨れたような顔になった。

・・・あの、なぜそんな顔に? 可愛い顔が台無しだからやめて欲しい。



「ヤスフミ、分かってて言ってるよね」

「うーん、僕は良くわかんないなぁ。・・・ね、フェイトはどうしたいの?」

「あの、それは・・・その・・・」



もちろん、分かってる。でも・・・意地悪してる。

ワタワタし出したフェイトが可愛くて、なんだか耳が生える。ついでに羽と尻尾も。



「泊まって・・・僕と、どうしたいの? どう、なりたいのかな」

「・・・言わなきゃ、ダメ?」

「ダメ」



ニコリと僕が笑うと、なぜかフェイトがため息を吐く。・・・なんか失礼だな。



「ヤスフミ、本当にいじめっ子だよね。なのはにもそうだし」

「だって、フェイトいじめるの楽しいもの」

「そんなこと言い切らないでっ!! ・・・わかった、それならいいよ」





次の瞬間、フェイトが僕の両手を掴んで・・・そのまま身体を寄せてきた。というより、体重を乗せてきた。

僕の体格はフェイトより小さい。その上いきなりだったので・・・そのまま、抱きつかれるような感じでソファーの上に押し倒された。服越しに、フェイトの身体の柔らかさと体重が伝わる。それを感じてるだけで・・・その、ダメ。



フェイトが身体を起こして、僕を見る。真っ直ぐに・・・だけど、恥ずかしげに。





「・・・こうすれば、分かるよね」

「わかん・・・ない」

「まだそういうこと言うんだ。なら・・・いいよ。あの、すごく恥ずかしいけど、本当に・・・恥ずかしいけど」





そのまま、フェイトは顔を近づけて・・・瞳を閉じた。





「これから朝まで・・・いっぱい、いっぱい、ヤスフミにえっちなこと・・・するんだから」










フェイトの金色の髪が頬にかかる。そして・・・鼻先が当たるか当たらないかくらいに顔が近づいた。でも、まだ近づく。





だから僕は・・・フェイトと同じように、目を閉じた。




















・・・目を閉じた。うん、閉じたのよ。でも・・・あの、一向に変化がない。





ほら、あるでしょ? 唇に柔らかくて暖かい感触が伝わったとか、レモンの味とかミントの味とかにんにくラーメンの味がしたとかさ。





でも、なにも・・・ない。変に思って目を開ける。すると・・・フェイトの顔がすごく近くにあった。





顔が赤く染まって、金色の髪が僕の顔にかかってた。それがなんというか、くすぐったくて、なんか、はずかしい。










「あ、あの・・・」

「うん・・・」

「ごめんっ!!」



フェイトが、そう言っていきなり身体を上げ、立ち上がり、どこかへと走り去った。もっと言うと・・・トイレ。

僕も身体を起こす。そして、一人リビングに残されて・・・思う。これ・・・なに? 数分、なんとも言えない心地で待っていると・・・フェイトが出てきた。



「あ、あの・・・えっと・・・」

「うん?」

「ごめん、出来なく・・・なっちゃった」





・・・はい? というかフェイトさん、あなたはまたなんでその申し訳なさそうな顔で僕を見るの。





「あの、えっと・・・ダメな日・・・きちゃったの」










・・・とりあえず、僕は・・・ソファーに突っ伏した。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



二人で・・・ソファーに座りなおして、残ってたミルクを飲む。・・・中途半端に冷めてる。





あはは・・・気まずい。気まず過ぎるよコレ。どうすりゃいいのよ、この状況。僕はともかく、フェイトの落ち込み具合が酷いのよ。










「・・・ごめん」

「・・・・・・大丈夫だよ、その・・・そういう日なんだから、仕方ないじゃないのさ」

「でも、まだのはずなのに・・・いや、結構近くはあったんだけど。うぅ・・・どうしてこんな時に」



神様、どうやってこれフォローしろと? 確かについさっき二人で何とかクリアしてくとか言ったように思うさ。あぁ、言ったさ。

でも、いきなりこれは無いんじゃないのっ!? 付き合い始めて1時間経ってないカップルに吹っかける問題にしては、ありえないくらいに難易度高いでしょうがっ! せめて最初はディズニーランドの行列待ちをどう過ごすか・・・とか、そういうところから始めるのが常識じゃないかなっ!!



「よ、よし。私・・・頑張る」

「へ?」

「えっと、その・・・本当にヤスフミと繋がるのは、ダメだけど、それ以外なら・・・。あと、えっと・・・前にはやてが見せてくれたえっちな漫画であったんだけど」



・・・・・・瞬間、顔が真っ赤になりました。というより、スチームが。だって、フェイトが言ったのって・・・。

えっと、あの・・・言えるかボケっ! ありえんくらいにぶっ飛んでるしっ!! つーか、無理っ! 絶対に無理っ!! そういうのはある程度経験がある人とかならともかく・・・あぁもうっ! なんであのタヌキはこうロクなことしないのっ!?



「だ、大丈夫だよっ! 順番が色々変わるだけで・・・私とヤスフミと繋がって、結ばれるのには変わりないと思うし、むしろ・・・安全だよっ!!」

「なにがどう結びついたらそういう発言が出てくるっ!? というか、お願いだから落ち着いてっ! その据わった目はやめてー!!」



あぁ、ヤバいっ! 真面目にフェイトが壊れてるしっ!!

と、とにかく・・・どうすりゃいいのこれっ!? あぁ、真面目に難易度が高いからー!!



「他の事もそうだよ。い、一応知識だけは・・・はやてから見せてもらったえっちな漫画とかであるし、最近はそういう話もよく聞かせてもらってるし」



あのタヌキ、マジでろくなことしねぇし。なんでアレで出世出来るのかがたまに本気で疑問なんですけど。



「そもそも私は今日・・・そういうつもりで来たから、覚悟・・・決めてるし」

「だからダメだってー! それはブッチギリでアウトじゃないのさっ!! セカンドシーズン始まる前にこの話終わらせるつもりっ!?」

「そ、そこは・・・その、なんやかんやあって・・・ってすれば大丈夫だからっ!!」

「そういう問題じゃないからぁぁぁぁぁぁぁっ! お願いだから落ち着けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

「・・・遠慮、しないで欲しい」



ふと、フェイトが呟くように言った。そしてその言葉が・・・胸を貫いた。



「ヤスフミ、凄く・・・優しいよね。私が不安にならないように、怖がらないように、沢山守ってくれてる。お泊りデートした時もそうだし、観覧車の時も。でも・・・ね、たまに思うの。優し過ぎて、むしろ遠慮してるんじゃないかって」

「そんなこと・・・ないけど」

「あ、あの・・・私がそう感じる時があるって話だから。もちろん、私だって恥ずかしいよ? それはその・・・本当。
今こうやって話してても、すごく恥ずかしいの。だって、私・・・ヤスフミのこと誘ってるわけだし。えっちなこと、一緒にしようって、誘って・・・るんだから」



そうして、気づいた。フェイトの手が震えてることに。多分、さっきから・・・ずっと。



「でもね、ここ数日色々考えて・・・決めて、私、ここに来てる。心だけじゃなくて、あの、これからは身体の結びつきも・・・しっかりしたいなって、思ってる。だから、ヤスフミの恋人として・・・彼女として、お願いしたい。
本当に二人っきりの時は遠慮なんて、しないで? ヤスフミがしたいなって思う事、私にして欲しい。私、本当にヒドい事じゃない限りは、全部受け入れるから」

「あの、そう言ってくれるのは嬉しいよ? でも、それで・・・例えば、身体目当て・・・とか、そういうこと、思わない?」

「そんなこと、思わないよ。もしそうなら・・・私、とっくにそういうことされてると思うし、それに、ヤスフミのこと・・・信じてるもの」





そりゃ、責任・・・重大だね。・・・こうなったら、覚悟決めよう。ここで下手に跳ね除けたら、その・・・それはきっとフェイトの気持ちを傷つけることにもなるから。だから僕も・・・勇気を出そう。



もちろん、先ほどのフェイトの提案は却下します。ぼ、僕だって・・・その、興味が無いわけじゃないし、フェイトとあの・・・そういう大人なコミュニケーションしたくないわけがないし・・・。

というより、あの・・・もう戦闘態勢が整ってるわけですよ。やろうと思えばいつでも・・・出来る。

で、でもダメっ! あの・・・色々とダメっ!! なので・・・ここは代案を出していこうと思いますっ!!





「分かった。僕がしたいと思う事・・・するね」



・・・だから、そんな嬉しそうにしないで。色々謝りたくなるから。

とりあえず、僕はフェイトの手を掴んで、ぎゅっとにぎる。



「・・・一緒に、ギューってしながら寝たい」



実は、旅行の時や年明けの時にそれをやって・・・なんというか、またしたいなぁと。

ただ、審査中でフェイトの事戸惑わせたりなんてしたくないので、言い出せなかった。普通にハグしたりでもいいかなと・・・思ってたのだ。



「それで、その・・・えっちなことはさ、フェイトの体調がよくなってからで・・・いいじゃん」

「・・・でも」



ま、まぁ・・・さっきも言ったけど興味ないわけじゃない。それは本当。ただ・・・ねぇ、ムードとかって色々あるわけですよ。



「でも・・・じゃない。その、嬉しい・・・よ? フェイトがそういうの気遣ってくれるの。ただ・・・その、フェイトが最後に言ったのはちょっとアブノーマルなので、いきなりそれでって言うのは・・・あの、色々戸惑うのよ」



僕だって初めてなのよ。色々夢とかああしたいこうしたいとかあるのよ。それでいきなり・・・出来るわけがない。

こ、こういうのは気持ちだって大事なんだから。



「・・・そうなの? はやてが『こういうのは普通』とかって言ってたんだけど。その、相手に愛情があるから、そういう部分でも受け入れられるんだって話してて」



・・・あのタヌキは後で本気で叩き潰す事にする。もっと言うと、使えるようになった神速で。



「よし、一緒に寝ながらちょっとお話しようか。主にフェイトがはやてからどういう性知識を教えられたかについて」

「あ、うん・・・。あのヤスフミ、もしかして私がはやてに教えてもらったことって、相当だめ・・・なの?」

「・・・多分ね」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



そんなわけで、フェイトはパジャマに着替えて、一緒に・・・今、布団に入ってます。なお、その間に色々あったけど・・・そこはご想像にお任せしましょう。





でもさ、これだけでも凄くドキドキする。ただ一緒の布団に入って、手を繋いで寝てるだけなのに・・・心臓が破裂しそう。フェイトも同じなのか、瞳が潤んで、それで頬を染めてる。





な、なんつうか・・・無茶苦茶可愛い。でも・・・恋人同士に・・・なったんだよね。





なんというか、こう・・・今ひとつ実感が沸かない。嬉しいけど、その・・・夢見てるみたい。










「・・・だから、スクール水着着たりするのはアブノーマルだって」

「そ、そうだよね。私もそう思ったんだけど・・・あの、そういう世界では普通だって」

「その理屈だと何でも普通になるでしょっ!? 縛られるのも鞭で叩かれるのも猿轡かまされるのもローソク垂らされるのも普通になるよっ!!」

「それは普通じゃないよっ!! というより・・・あれ、嫌・・・」



・・・そう言えば、プレシアさんの所に居た時にそういう経験したって聞いたことが。

なので、フェイトはそういうのに関しては嫌悪感を示す。例えば今みたいに、本当に嫌そうな表情を浮かべる。



「うーん、それじゃあ僕がフェイトの事、こう・・・縛りたいとか言ったらどうする?」

「・・・え?」

「あー、そんな怖がった顔しないで。別にぐるぐる巻きとか、何かの本に載ってるようなSMな縛り方とかしないから。というより、縄なんて使わないの」

「そうなの? あの、それって・・・」



・・・前に某雑誌でそういうイラストが載ってて、これ実際にやったらどうなるんだろうなと思った物がある。そう、それは・・・。



「手首、ないし首にだけ、リボンを使って緩めのちょうちょ結びにして、それでえっちなことするの」



いわゆるプレゼントプレイっ! やっぱり興味が無いわけじゃないから、してみたかったりはするっ!!



「あ、あの・・・それは・・・えっと、叩いたりとか、しない?」

「うん、普通に、優しくするよ。違うのは、手首か首のどっちかだけを緩めに結んでるから、フェイトがなにかのプレゼントみたいになるってだけ」

「あの・・・それなら、いいよ。でも、叩いたりとかそういうのは・・・ダメだから」

「うん、絶対に・・・そんなことしないから、安心して欲しいな」



フェイトが安心したように微笑む。・・・それを見て思った。絶対にそういうのはダメだと。

きっと、身体だけの話じゃない。心も・・・傷つけるんだ。



「でもね、フェイト。お願いだからもうちょっとしっかりして。普通に今話してくれた事はアウトだから」

「・・・うん、気をつける。あ、だったら」



なに? というか、あなたはまたなんでそんなに顔赤くするのさ。



「ヤスフミが実際に・・・どれが普通で、そうじゃないか、ちゃんと教えてくれると嬉しいな」

「フェイトの体調がいい時だったら、いいよ? 急にごめんと言ってトイレに行ったりしなければ」

「うぅ、そういう意地悪禁止。ね、それじゃあ・・・さっきのリボンでちょうちょ結びって言うのは・・・普通?」

「・・・ちょっと普通じゃないかも」



・・・はやてから教えられていた性知識の数々は、非常にひどいものだった。というより、オタクの願望? もうまさしくそうとしか言えないようなのがどっさり。なんですか、あのスクール水着やらローションやら猫耳やらメイド服って。

リンディさんとエイミィさんからそういうのは教わってないのかと聞いたんだけど・・・二人はどうやら倫理的な話しかしてなかったらしい。まぁ、経験無しな人にどういうプレイがいいとかこうすると男は悦ぶとか、そんな話は出来ないわな。



「とりあえず、神速の実験台はあのタヌキで決定だね。シバかないとどうしようもない」

「それもどうなのかな・・・。あ、それで一つ言い忘れてた事があるの」

「なに?」

「私もヤスフミの修行に同行するから」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ!?



「当然だよ。ヤスフミは・・・その、私の騎士だもの。そういうのを抜きにしても、補佐官になってもらう以上、それを預かる身としてはヤスフミの状態についてちゃんと知っておく必要がある。その辺りの事も、私も一緒に教わろうと思ってるんだ」

「・・・なるほど、あのボストンバックはそのためと」

「うん」



ここへのお泊りのためだけじゃなくて、道中の荷物も入ってたんだね。納得したわ。



「でも・・・」

「なに?」

「出来るなら、使って欲しくないとは思ってる」

「大丈夫、僕も・・・出来るなら使いたくないと思ってるから。さすがにあれは負担デカ過ぎだもの」



いや、僕が加減出来ずに長時間使用とかしたからだけどさ。その辺りも相談しないと・・・どうにもなんないな。

こりゃ、しばらくは暇な時には恭也さんなり美由希の所に通う必要あるかも。うぅ、大変だなぁ。



「そう言いながら、なんだか楽しそうだよ?」

「・・・実は、少し」



やっぱり、一つの目標ではあったから。恭也さんや美由希さんと同じ領域・・・その凄さに触れる度に、すごく悔しくて、埋められない溝みたいなのが見えてる感じがして。

だから、とんでもない爆弾を抱えたと思うと同時に、やっぱり嬉しかったりもする。



「でも、無理はしないよ? フェイトの隣にずっと居たいから。あんまり・・・泣かせたくもないから。使いこなすって言っても、恭也さんとか美由希さんレベルでは絶対無理だろうしね」



こういう時、やっぱり体格が恨めしい。でも、言っても仕方ない。

本来なら使えないのが当たり前なんだ。なら・・・使えるようになった事だけでも、感謝しないとアウトでしょ。



「うん、それなら・・・いいんだ」



フェイトが、右手でそっと僕の頬を撫でる。それから、頭を心地よくて・・・その、目を閉じてその感触を堪能する。

なんというか、幸せ



「あと、話変わるけど・・・ドイツ、楽しみなんだ」



神速に関しては、恭也さん達の指導の時にするとして別の話にする。

そう、海外・・・ドイツですよ。美味しいものとかあるだろうしね。ソーセージとか、ビールとか。あ、忍さんもいける口だから、また一緒に飲めるな。



「ダメだよっ! ヤスフミは未成年なんだよっ!?」

「あはは・・・やっぱり?」

「やっぱりだよ。・・・でも、食べ物は私も楽しみだったり」

「フェイトの食いしん坊」

「それはヤスフミだよねっ!?」










一つの布団の中で、手をつなぎながら・・・二人で、そんな話をずっとしてた。眠くなるまで、ずっと。





眠くなって、ウトウトし始めたら・・・自然と二人で抱き合って、そのまま・・・眠った。





前の二回とは違う。自分達の意思で、僕達は抱き合って、一緒に眠る。なんだろう・・・これ。





上手く言えないけど、凄く・・・幸せ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・目が覚める。聞こえたのは鳥の声。そして、朝日が部屋に差し込んでて・・・それが目を覚ましてくれた。





なんというか、目が覚めてすぐに気づいた。あの・・・フェイトの顔が、すごく近い。というより、身体が。





胸の谷間とか見えるし、その・・・抱きついてる感じだから感触も伝わる。





そっか、昨日・・・フェイトを家に泊めて・・・それで・・・あの、告白・・・されて、恋人同士になって・・・。





な、なんか・・・夢じゃなかったんだ。あれ、また泣きそうになってるし。僕・・・ホントダメだな。





そう思っていると・・・フェイトの瞼が動いた。それから、少ししてゆっくり目が開く。そして僕を見て・・・真っ赤になる。










「あ、あの・・・おはよう」

「うん、おはよ」



そのまま見つめあって・・・顔、どんどん赤くなって・・・あれ、僕達もしかしなくても・・・ちょっとバカ?



「「あの・・・」」



それでまた言葉に詰まる。と、とにかく・・・あの・・・。



「じゅ、準備して・・・朝ごはんにしようか」

「そ、そうだね。あの・・・そうしよう。うん、そうしようね」










そして、二人ともパジャマを着替えて・・・外に出る。あ、その前にお風呂を二人で・・・別々にね? 別々にもらって、髪をしっかり乾かしてから、僕達は荷物を持って外に出た。





ご飯は本局の方のレストランで頂く事にした。とりあえず、トゥデイやデンバードは使えないので、二人でレールウェイに乗って、本局・・・中央本部の方まで移動して、そこから転送ポートで本局に移動。

そこでモーニングランチを食べてから、改めて地球まで飛ばしてくれる転送ポートに移動開始。まぁ・・・えっと、手を繋いで・・・歩いてます。










「・・・な、なんか・・・あのね」

「うん・・・」



手を繋ぎながら、フェイトに話しかける。その・・・なんでこんなに気恥ずかしいんだろ。



「ほんとに・・・僕でいいの?」

「・・・うん」

「あの、ほんとに? だって僕・・・」



身長、フェイトより10センチ近く小さいし、性格だって悪いと思うし、ドSだし、基本いじめっ子だし、あと・・・色々あったりするし。



「そういうの全部含めて・・・ヤスフミがいいって思ってるから。あの、本当に・・・大丈夫だよ。そういうヤスフミは・・・私で、本当にいい?
私、すごくワガママだし、勝手だし、すごく鈍感だし、あと・・・生まれとか、普通じゃないし」

「僕も・・・大丈夫。フェイトがいいの。フェイトと居たい。だから、大丈夫」

「なら、よかった」



フェイトがそう言って、安心したように笑う。その表情がその・・・なんというか、可愛くて、綺麗で、彼女とか恋人とかそういう関係になったから・・・余計にそう思えて。

うぅ、やっぱりまだ慣れないや。よし、頑張ろう。考えようによってはこれは婚前旅行も同じなんだ。これでその・・・進展するんだっ!色々とっ!!



「とにかく・・・まずは海鳴だね」

「うん。それからドイツに行って・・・頑張らないと、いけないね」

「うん」










そうして・・・そのまま二人で転送ポートに










「あ、二人とも遅かったですねー」










・・・・・・あれ? おかしいな、なんかこう・・・見覚えのある青い妖精が、すっごく見覚えのあるフルサイズになった姿が居る。





えっと・・・これって、あの・・・えぇっ!?










「「リ、リインっ!?」」

≪あなた何してるんですか≫

「当然、恭文さんの修行に同行するためですよ」

「ちょっと待ってっ!! あの、確かヤスフミに同行するのは私だけで・・・」

「あ、はやてちゃん達には休暇届けを渡してあるので、大丈夫ですよ?」





シ、シレっと言い切ったっ!?



そして、そのまま僕の左手を取って・・・あの、何します?





「リインは、恭文さんの側に居るって決めてるです。だから・・・一緒ですよ?」

「・・・フェイト」

「今ね、シグナムからメール届いた。悪いが連れてってくれ・・・だって。リイン、はやてとちょっとやり合ったんだって? みんな心配してるって、メールに書いてたよ」

「うぅ、はやてちゃん頑固でした。中々納得してくれなくて・・・」



・・・なるほど、距離を取る意味合いも含めて・・・か。あぁ、なんでいきなりこんなトラブルめいた匂いがする状況になるの?

あはは・・・セカンドシーズン、マジでどうなるんだろ。



≪今更ですよ。ま、とにかく・・・このメンバーで行きますか≫

「・・・そうだね、行こう。ヤスフミ」

「行くですよー!!」





・・・なんにしても、もう行くしかないしやるしかないのね。



うん、分かってた。ま、いいか。楽しくはなりそうだしさ。





「あぁもう、分かったよっ! それじゃあ・・・アルト」

≪はい≫

「フェイト」

「うん」

「リイン」

「はいです♪」





そういうわけなので・・・!!





「全員揃って僕の修行に付き合ってもらうよっ! いいねっ!?」

≪「「おー!!」」≫










こうして、再び時間は動き出す。一つの戦いが終わり、僕達の時間は・・・なんてことのない日常へと、その姿を戻す。





そして、踏み出す。ここから始まり、その先へ続いていく新しい時間に。





そう、僕達の日常は、まだ終わらない。終わるわけがない。まだまだ続いていくのだ。










≪・・・なんか、そう言うと最終回っぽいですよね。それも人気が無くて打ち切りのパターン≫

「不吉な事言うなっ!!」

「恭文さん、アルトアイゼン、なにしてるですかー!?」

「早くしないと、置いてっちゃうよ?」

「あぁ、二人とも待ってー!!」

≪置いてくのはこの人だけにしてくださいよ。私は連れて行ってください≫

「ちょっとそれどういう意味っ!?」




















(『とある魔導師と機動六課の日常 Second Season』へ続く)







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