[携帯モード] [URL送信]
16


先輩と伊部の後姿を、半ばぼんやりと見送って。


ふと紗恵のほうを見ると、少し首をかしげて俺を見上げていた。



その仕草に。
その表情に。

ヤられ気味の俺。



触れたい、抱きしめたいって気持ちを。


ここは学校、ここは学校、ここは学校。


そう思って、なんとか抑えた。






「俺らも、帰ろ」


「うん」


笑って頷いた紗恵に、手を差し出す。

紗恵は、少し恥ずかしそうに、でも、ちゃんと応えてくれた。




手をつないで歩く。



たったそれだけのことが、すげー嬉しくて。

いつもより余計にゆっくり歩いた。





[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!