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制服に着替え終わって、荷物をバッグに適当に詰め込んでいたら、ベンチの上に携帯が転がり落ちた。


拾いがてらに時間を確認したら7時半前…


「やべ…」

思わず声が出た。


部室に戻ってきたのは、たぶん7時過ぎのハズなのに…

思った以上に時間が経っていることに、ちょっと焦った。

それだけ紗恵を待たせている、ってことになる。


薄暗いうえに寒くなってきているのに、そんな中で長く待たせたくはない。

というより。
俺が、早く紗恵に会いたい。



「あんまり待たせちゃかわいそうだぞー?」


先輩のノンキな声に、軽くイラっとする。

そもそもオマエらが無駄に騒ぐからだろ!

と思ったけど。
構ってる場合じゃなくて。

とにかく急いだ。



ロッカーのドアをちょっと乱暴なくらいに閉めて、バッグを担いだところへ


「タクミ、行くぞ」


サトシ先輩に声をかけられた。



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あきゅろす。
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