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たぶん、一番笑ってるのはキャプテンで。
ベンチをバシバシ叩きながら笑っている。
あちこちから、何か言われてるのは聞こえてたけど。
何を言われているのかもよく分からなくて。
ただ、俺が笑われているっぽい…ということだけ分かった。
俺は、状況が理解できないまま、しばらく呆然とするしかなかった。
ひとしきり笑って満足したっぽいキャプテンに
「お前のそんな顔が見られるとは思わなかった」
と言われて、また笑われた。
そんな顔って…
どんなだよ!?
そんなマヌケな顔してたのか??
なんとなく舌打ちしたい気分になったけど、どうにか踏みとどまった。
でも、無意識に寄せてしまった眉間のシワは隠せなかった。
それを見てまた笑ってるキャプテンに
「俺、イジられキャラじゃねぇと思ってたんスけど…」
そう呟いたら、また周りのヤツらから笑われた。
「オレも違うと思うぜ」
「そうそう。たぶん違うよな」
「ただ、今日はイジれそうな感じだったんだよなー」
「ケンジ、いいネタ、サンキューな!」
皆、マジで好き勝手なコト言ってやがる…
なんか、よく分かんねぇけと、何か言うと余計に笑われてしまうってコトはよく分かったから。
とりあえず周りのヤジらしきものは無視して着替えることにした。
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