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諦め気味にシャワー室の外に出ると、案の定、俺の、というより紗恵の話題で盛り上がっていた。



ロッカーまでの短い距離を、ニヤニヤした好奇心いっぱいの笑いを向けられながら足早に歩いた。


ロッカーから制服を出して、すぐそばのベンチに半ば投げつけるように置くと、座っていたキャプテンと目が合った。



やべ…



気づいてなかった、っていうか、見てなかった…
なんて言い訳通じるかな。

ケンカ売ってるふうに取られたら面倒…




先輩、後輩の上下関係があるといっても、それは一般的なもので。
運動部にありがちな、先輩が怖いとか、そういうのは無いけど。
でも、やっぱり先輩は先輩なわけで。
キャプテンだし。

意味もなくモメたくないし。


「…すンません」


一応。
謝っておいた。



一瞬。
気のせいじゃなければ、部室中。



シーーーーーーン



として。


直後に、大爆笑が沸き起こった。






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あきゅろす。
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