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シャワー室のドアを閉め、束の間の一人の空間に、ちょっとホッとした。



一人になって。

ガシガシとシャンプーをしながら考えるコトは、



紗恵のこと。





朝、会ったのに。
あんなに一緒に居たのに。

もう、ずっと会いたくて。

俺のコトを待ってる紗恵が、俺を見つけた時に見せてくれる笑顔が、早く見たい。



さっきまでひやかされたり、からかわれたりで不愉快だった気持ちが、シャワーに流されるように消えて。



もう、一分でも早く紗恵のところへ行くことしか考えてなかった。





シャワーを止めて、体を拭きながら。
なんだか外が騒がしいことに気づいた。


まさか、まだ俺の話題か?


ていうか。
先輩たちだって彼女いる人の方が多いし、一年の中にだって何人も彼女いるヤツはいるのに。
こんなふうに騒がれたりしてたか?


もしかして俺、そんなにイジりやすいのか?


そう思うと、紗恵に早く会いたいのに、シャワー室から出るのが、ちょっと憂鬱になった。



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あきゅろす。
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