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6


何事も無かったかのように走り続けてみたけど。
前に戻らずに俺の隣を並走していたキャプテンが、俺の後ろを走っているケンジに声をかけた。


「ケンジ」

「は、はいっ」

「何騒いでたんだ?」

「ぇ、ぃゃ、その…」


ケンジが口篭もる。



「テル?」

今度は、ケンジの隣を走っているヤツが声をかけられた。


「ぇ、ぅ、タ、タクミの彼女が…」


ばっかヤロォーっ!!!


テルを睨んでやろうと思ったら、


「ほぅ……原因はお前か? タクミ」


キャプテンはそう言うが早いか、俺が言い返そうとする前にゲンコツを落としてきた。



「いっっっ!! ってぇ!!」




俺は立ち止まるわけにもいかず、片手でジンジンする頭頂部を押さえてランニングを終えるハメになった。


……か、カッコワリィ……



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あきゅろす。
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