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すげぇ喋りづらい。



なかなか答えない俺に、「なんだよ、もったいぶるなよ」と声があがり。


「やっぱ、久田から?」


とケンジに聞かれた。



やっぱ、って、何だよ??



「いや、俺から」



また、周りのヤツらがどよめいたけど。
ケンジは、何故かポカンとしてた。


自分から聞いておいて、何だよその顔は…



いきなりケンジがこんなコトを言い出した原因は、たぶん朝の出来事のせい。
ケンジは紗恵と同じクラスだから、たぶん見てたんだろう。

一昨日から紗恵と連絡がとれなくなって。
その原因をサトシ先輩から教えられて。
イライラしながら、ショートホームルームが終わった直後に紗恵を教室から連れ出した挙句、1時間目をサボらせた。

まぁ、おかげで紗恵の気持ちをちゃんと聞けて、俺的にはスッキリしたんだけど。
ついでに、1年の教室の前をわざわざ手をつないだまま歩いて、”俺の”アピールもできたし。

ちょっと満足な気分を思い出して、ついでに照れた紗恵の顔を思い出して。
思わずニヤけそうになったのをどうにか耐えた。



しばらく待っても何も言わないケンジから視線を外して、バッシュの紐を結び始めた。



「でもタクミ、中学の時はそんな素振り無かったじゃん」

今度は、同中のヤツ。


そりゃそうだろ。
特に誰にも言ってねぇからな。


ていうか。
気になりだしたのは中学ン時だけど、ガキ過ぎてよく分かってなかったしな…



片方のバッシュの紐を結び終えた頃に、ようやくケンジが口を開いた。



「タクミ。何で久田なんだ?」




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あきゅろす。
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