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「待ってて」とは言われたものの…



どこで?

どうしてたらいいの?



体育館の外に出てから、遠藤君から何も指定されていないことに気づいた。

軽く迷子の気分。



メアドも携帯の番号さえも、知らない。



クラブハウスの場所は知っているけれど。
行ってもいい所かどうか分からないし。
行く勇気も無い。



外はもう薄暗くて、だんだん心細くなってきた。

そうしたら、不安な気持ちが芽を出してしまう。


遠藤君は、本気で言ってたのかな、とか。

やっぱり、からかわれてたんじゃないのかな、とか。



私ってば、こんなネガティブな性格じゃないはずなのに。



しばらくの間、体育館の入り口の近くに佇んでみたけど。
一人だと居心地が悪くて、落ち着かなくて。



結局、校門へと向かう人たちの列に混ざって、門を出てしまった。





なんとなく無意識に、いつもと同じように、駅へと向かう道を流れにまかせて歩いてしまっていた。

ハッとして、慌てて流れから反れる。


帰っちゃうところだった…。


駅へ向かう人たちとは反対側の歩道へ渡り、歩いて来た道を引き返し始めた。


同じ制服姿の私が、流れとは逆方向に向かって歩いていても、あまり気にしている人はいなくて。
少し気楽に校門が見えるところまで戻ってきた。


なんとなくホッとしたのも束の間。



校門からヒョロっと大きな人影が飛び出してきて。

キョロキョロしたかと思ったら、こちらに向かって走ってきた。


ものすごい、勢いで…




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