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何も考えられないって、こういう状態のことだろうか。
想定外の事が一度に起きてしまって、呆然と立ち尽くす私。
そんな私を遠藤君が覗き込んできたから、ハッとしたけど。
何も言葉は浮かんでこないし、どうすれば良いのかも分からない。
言ってくれたことが本当なら、
すごく、嬉しい。
でも、恋愛経験値ゼロなんだもん。
何て言ったらいいのか、全く分からない。
私の態度をどう受け取ったのか、遠藤君は相変わらず困った顔。
「もしかして、すげぇ困らせてる?」
困っている…のとは、ちょっと違うんだけど…
肯定も否定もできない。
「彼氏とか、好きなヤツとか……やっぱ…いるよな…」
か、彼氏!?
やっぱり、って……そんなわけ無い!
慌てて首を振った。
好きな人っていうか、憧れている人は、今目の前に居るけど。
そんなこと言えない。
どうしよう。
どうしたらいい?
オロオロしていると、遠藤君が少し笑った。
「じゃぁ、さ。
嫌じゃなければ…彼女になって」
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