8
私の言葉に、さっきまで真っ赤だった遠藤君が、急に真顔で私の方へ向き直った。
至近距離にいるせいで、相変わらずドキドキはおさまっていないけど。
顔の赤さも、たぶん引いてないけど。
これから何を言われるんだろう、って考えると、少し身構えてしまう。
でも。
遠藤君からは、意外な返事が返ってきた。
「…それって……、遠まわしな感じで断られてる?」
「えっ?」
「すぐに返事が欲しいとかじゃないけど、俺、けっこう鈍いから、ハッキリ言ってもらわないと分からない」
予想外過ぎて、また、言葉が出てこない。
「もしかして、本気で罰ゲームとか、思ってる?」
だんだん困った表情になってきた遠藤君。
私は、小さく頷いた。
そのまま顔が上げられない。
「久田、こっち見て」
言われて、おずおずと顔を上げると、また遠藤君と目が合う。
「久田のことが好きだから。
付き合ってほしい」
遠藤君は、また、赤くなって私から目を逸らした。
………私のことが…
好き?
……私?
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