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少し俯くと、くっきり二重顎。
ぷにょぷにょの二の腕を隠すために、制服は夏だって長袖のシャツ。
少しでもスッキリ見えたらいいな…と、苦し紛れにベストも着用。
真夏には、さすがに見ている方が暑苦しいって言われたから、やめておいたけど。
スカートは、膝丈。規定の制服でMAXの長さ。
短くしてる子たち、可愛いな、羨ましいな、って思うけど。
自分の脚は、恥ずかしくて、見せられるようなシロモノじゃない。
冬になれば、ブレザーのボタンの両脇には、窮屈そうに横に伸びるシワ。
制服も私服も、オシャレ感…薄め。
自分自身で評価しても、こんな感じ。
いつか、こんな私でもいいって言ってくれる奇特な人が現れるかもしれない、なんて夢は、まだ捨ててないけど。
現実は、そんなにうまく出来てない、ってことも知ってるから。
だから、遠藤君の言葉を疑っていた。
というより、何か事情があるんだろう、って思った。
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