5
「俺と、付き合ってほしいんだ」
えっ!?
一瞬、何を言われたのか分からなくて。
私と遠藤君の間には、沈黙が降りてきた。
真っ赤になって目を逸らしてしまった遠藤君を見ているうちに、ようやく状況が分かってきたけれど…
人生で初めて言われた言葉に。
しかも、憧れのその人に…
さっきよりも、もっと驚いてしまって。
声も出なかった。
ただ、ポカンと口を開けたまま、呆然としていた。
きっと、さっきから赤くなってたと思うけど、今は更に赤い顔になってるだろう。
そんな顔色で口が半開き……、なんて間抜けな顔をしてたことだろう……と冷静に思ったのは、翌日になってからのこと。
「…あの…えっと……、何かの罰ゲーム? とか?」
何か言わなきゃ、と思ってようやく口にできた一言が、我ながら、悲しかった。
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