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恋話の棚ニャ!
3
「あ、あたしは努力したわよ(汗)」
母親は焦ったような顔で言った。
「さあ、食べるっす」
「ち、ちなみに、これは何かなぁ…」
オレは遠慮がちに言った。
「分からないんすか?シチューすよ、シチュー。今までで、一番の出来っす」
「…」
「…」
皿の上には、どう見てもねっとりとした、不揃いの野菜があるだけで、汁気が全く無く、シチューを冒涜した悪魔の食べ物にしか見えない(汗)
「ちなみに、味見したか?」
「え?してないっす」
由香ちゃんは不思議そうな顔をした。
「由香君、君はシチューを知らない地方の出身者だろうからはっきり言おう。…これは、シチューではない」
「え〜、ちゃんと作り方見たっすよ。野菜を切って、茹でて、最後にシチューの素を入れたっすよ」
由香ちゃんはキッチンに戻ると、シチューの素が入っていた箱を見せながら言った。
「この通り作って、何でこうなるんだよ」
「野菜を茹でて、お湯を捨てて、ルーを入れてかき混ぜたっす。間違いないっす」
「由香、シチュー作るのに、何でお湯を捨てるのよ(汗)」
妹は溜息を吐きながら言った。
「え、だって、スパだって焼きそばだってお湯捨てるじゃないっすか?」
「由香…あんたの食生活見えてきたわ(汗)」
「インスタント食品は体によくないぞ」
あまり嬉しくない未来が見えた気がする(汗)
「う…最近のは美味しいっすよ(汗)」
「はぁ、由香ちょっと来な」
妹は由香ちゃんの腕を掴んでキッチンに向かった。
「あたしは…止めようとしたわよ。でも〜包丁振り回す由香ちゃんが怖くて近づけなかったのよ〜」
母親は口を尖らせながら言った。

しばらくすると、げっそりとした妹がキッチンから出てきた。
「ろみ先輩、頭にたんこぶがいっぱいっすよ」
由香ちゃんが後から頭を押さえて出てきた。
「当たり前よ、両手で包丁持って振り回すなんて論外。あれだけ言ってるのに、またお湯捨てようとするし、灰汁は取らないし…」
妹の小言は、それから30分続いた。
「オレ腹減ってんだけど」
「今言わなかったら、後悔するのはお兄ちゃんかも知れないんだからね」
[パンパン]
「はいはい、せっかくのシチューが冷めちゃうわよ」
母親は手を叩きながら言った。
「反省してるっす。ごめんなさいっす」
「もういいだろ。由香ちゃんも反省してるし」
「お兄ちゃん…バックプリントに騙されてるよ(汗)」
妹は溜息を吐きながら言った。

ご飯を食べ終わると、既に16時を過ぎていた(汗)
「この後どうする?」
「オレは自分の部屋にいるけど」
「あたしも、お兄ちゃんの部屋に行くっす」
由香ちゃんは手を上げながら言った。
「ボリュームは小さめでお願いね」
「べ、別に変なことはしないすよ(汗)」
由香ちゃんは顔を真っ赤にして言った。

「んじゃ」
妹は手を上げて自分の部屋に戻って行った。
「いくか」
「はいっす」
オレは由香ちゃんを従えて部屋に向かった。

「オレはパソコンやるから、由香ちゃんは適当にマンガでも…」
「パソコンすか?持ってないけど興味あるっす」
由香ちゃんはオレの隣に座ると、パソコンの起動画面を見ながら言った。
「そ、そうなんだ…」
近い…顔近過ぎ(汗)
「これなんすか?」
パソコンに神々しく輝くイチゴバニラなフォルダを指さしながら由香ちゃんが言った。
「え…いや、ん〜」
「えいっす」
オレがどう説明しようか迷っている内に、由香ちゃんはパッドをダブルクリックした。
「!…」
「えっと〜、えいっす」
有無を言わさずごみ箱に放り込むと、完全削除した。
「ぬお〜オレの縞パンコレクションが〜」
「お兄ちゃんは今日からバップリ派なんすから、バップリ以外は認めないっす」
由香ちゃんは腰に手を当てて言った。
「…はい」
ああ、我が戦友たちよ。安らかに眠れ(汗)
「最初はこれっす」
由香ちゃんは持っていた紙袋から、ピンクに黒い足形模様で、バックに猫の絵の付いたパンツを取り出した。
「いや、これっていわれても…って何を!…」
「さっきの縞パンは、誰か履いてたっす。だから、バップリは、あたしが履くっす。お兄ちゃん…後ろ向くっすよ」
由香ちゃんは立ち上がりながら言った。
「って、ここで履き替えるのかよ(汗)」
オレは慌てて後ろを向いた。
「まだっすよ。今何も履いてないっすからね」
「…」
由香ちゃん…実況はいらないぞ(汗)
[パチン]
「よいっしょ、いいっすよ」
由香ちゃんの声に振り向いて絶句した。
由香ちゃんはスカートを履かずにベッドに四つん這いになっていた。
「早く写真撮るっすよ。結構はずかしいんすから」
「いや、いきなり言われても、カメラが…」
オレは目をキョロキョロさせながら言った。
「携帯があるっす」
「あ、あぁ…」
オレは携帯を取り出すと、カメラモードにした。
「じゃ、じゃあ撮るよ」
「はいっす」
[ハイチーズ、パシャ]
「ちゃんと撮れたっすか?」
「あ、あぁ…」
オレが携帯の画面を見せると、「やっぱ、男性目線すね」と頬を赤くした。
「それじゃ、着替えるすから、また後ろ向いてくださいっす」
「お、おぅ」
オレは慌てて後ろを向いた。
しばらくごそごそしていたが直ぐに収まった。
「準備出来たっす」
由香の声に振り返って固まった。
「紐バップリは珍しいから買っといたっす」
何というか、YフロントにYバック。許容範囲は全て見せます状態だ。
「うっ…」
思わず鼻頭を押さえて、前屈みに…。
「お兄ちゃんは、こう言うのが好きなんすね」
「好きと言うか、普通の男だったら、襲われてるぞ(汗)」
バックでは炎目の熊が口を大きく開けていた。
それからしばらく、バップリファッションショーは続いたった。

「いや、それは…」
「何言ってんすか、バップリの原型っすよ」
いわゆる、女児用の白の綿パンツタイプのバップリで、サイズは大人用で、ロリタイプと言われているものらしい(汗)
「いやいやいや、オレロリじゃねーし」
「何言ってんすか。全てのバップリを愛せない人は、バップリ派じゃないっす。今までの写真全部消すっすよ」
由香ちゃんは腰に手を当てて言った。
「う…分かった…」
「うん、じゃあ、後ろ向くっす」
そしてこの後、今日一番の衝撃が、オレの脳を揺さぶった(汗)

写真は全て携帯のカギ付きフォルダに保存させられた(汗)
[ぱしゃ]
「他の人のバップリ写真は禁止っす。お兄ちゃんのコレクションのモデルは、全てあたしっす」
由香ちゃんはオレのパンツを写真に撮りながら言った。
「で、何で、オレのパンツを撮る必要があるんだ?」
「それはっすねー、あたし以外のバップリ写真を見つけた時、ネットに実名放流する為っす」
由香ちゃんはニヤッと笑いながら言った。

「こんこん、もう済んだ?」
妹が扉を開けて入ってきた。
「ふふふ、縞パン写真は排除したっす」
由香ちゃんはVサインしながら言った。
「写真?はぁー、まあいいか。お風呂にする?それともご飯にする?それとも、 か・か・し?」
「いや、かかしとか意味分からんし」
オレは溜息を吐きながら言った。
「お兄ちゃん、風呂っすよ!」
「オレ?何で?」
「一名様風呂にご案な〜い」
妹はオレの腕を引っ張って部屋から出た。
「なんなんだよ」
「後からのお楽しみ」
オレは強制的に風呂に隔離された(汗)
「はぁ、何だかなぁ〜」
オレは諦めてお風呂に入ることにした。
「こんなに早い時間に風呂なんか入ったこと…」
[ガチャ]
「お邪魔するっす」
いきなりドアが開いて由香ちゃんが入ってきた。
「な、ななな…」
「こ、これは、水着っすよ。しかも、バップリっす」
由香ちゃんは、白い水着を着て、お尻をこちらに向けて言った。
「ぺ、ペンギン、か、可愛いな(汗)」
「お、お兄ちゃんの背中を流そうと思ったっす」
由香ちゃんは顔を赤くしながら言った。
「お、おう、そ、そうだな。やってもらおうかな(汗)」
オレは緊張しながら、腰にタオルを巻いて立ち上がった。
「任せるっす!?って、わわわ」
近づこうとした由香ちゃんは、床で滑ってオレの方に突っ込んできた。
「危ない」
オレは考える前に由香ちゃんを抱きしめていた。
「…」
「…」
そして時間が止まった(汗)
バイクの時とは比べものにならないほどの柔らかさと温かさが胸に伝わってくる。
「ゆ、由香ちゃん大丈夫?」
「え、あ…大丈夫っす…」
そんな会話を交わしながらも、お互い離れることが出来ず、由香ちゃんは上を向き、オレは下を向いたまま赤い顔で見つめ合った。
「ハックション」
どれくらい抱き合っていたのか分からないが、オレのくしゃみで終了した。
「早く洗わないと、風邪ひくっす」
由香ちゃんはオレから離れると、スポンジにボディーソープをかけた。
「お、おぅ」
オレは由香ちゃんに背中を向けると、イスに座った。
「お兄ちゃんの背中広いっす」
由香ちゃんはスポンジでオレの背中を擦りながら言った。
「お兄ちゃんじゃない…オレは、松原浩樹だ」
「えっ…」
オレがそう言うと、由香ちゃんの動きが止まった。
「オレ…由香ちゃんが…」
「待つっす…それは抱きしめたからっすか?」
由香ちゃんは不安そうに言った。
「いや、それだけじゃない。由香ちゃんといると、心も体も温かくなれるんだ。だから、ずっと一緒に居たくなった。オレもバイクの免許取ろうかな…」
「取るっすよ!一緒に…あっ…浩樹の後ろに乗るっす」
由香ちゃんは、オレを背中から抱きしめた。

「お〜、恋人シャンプーっす」
由香ちゃんの頭を膝枕の要領で膝に乗せ、髪を洗ってやると、由香ちゃんは目をキラキラさせながら喜んだ。
「彼女の特権だ…って言っても、やったのは由香ちゃん…由香が初めてだけどな」
「はわはわ、呼び捨てで呼ばれたっす」
由香は顔を真っ赤にした。
「これからはもっと恥ずかしくなるようなこと言ってやるよ」
オレは由香の柔らかな唇を塞いだ。


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