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恋話の棚ニャ!
由香里の決断
今日も雲一つ無い星空だ。
由香里が決心した夜も星が綺麗だった。

「ボク…決心した。手術…受ける…」
あんなに思い詰めていた由香里の顔が、言い終わった後、笑顔に変わっていた。
「…あぁ、頑張ってこい」
「おう、頑張ってやるよ」
オレが突き出した拳に、由香里は拳をぶつけてきた。

バタバタと手術の準備が進んで、ストレッチャーに乗せられた由香里は手術室に向かった。
由香里の両親は、『隆行君が着いて行ってね』と病室に残った。

「後で話があるから、必ず帰って来いよ」
「隆行の寒ギャグ聞いてやるのは、ボクしかいないからね」
手術室の前まで来ると、由香里はストレッチャーから手を出して広げて見せた。
オレはその手を両手で掴んだ。
「ピロリン、充電完了っと。うんじゃ、ちょっと行ってくるよ」
由香里はイタズラっぽく笑いながら言った。
「あぁ、待ってるからな」
オレがそう言ってイスに座ると、由香里は扉の向こうに姿を消した。
「…きっと…大丈夫」
オレはドキドキする胸を押さえながら呟いた。


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あきゅろす。
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