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恋話の棚ニャ!
3
何故か、オレの頭は、女の膝の上にあった。
「あっ、起きたんだ…モ〜ニング〜キ〜ス」
突然女の顔がオレに迫って来た。
「だから、タコ口は…うっ…」
容赦なくオレの口は塞がれた。
しかし、全く嫌な感じはしない。
「だから〜、病院でそう言うことはダメなんです〜」
若い看護師は顔を赤くしながら言った。
「先生がね、不思議そうな顔でね、悪い所が無くなったって言ったのよ。でね、部屋に戻って来たら、あなたが寝てたから、こっそり膝枕してみました」
二度と見ることは出来ないと思っていた、女の笑顔をもう一度見ることが出来た。
「畑西建吾だ。よろしくな…彼女」
「えっ…あ、あたしは、長谷屋京香よ。よろしくね…彼氏」
「むっき〜、だから〜ラブラブ禁止〜」
若い看護婦は、ほっぺたを膨らませて言った。


女…京香は数日後退院した。
「こら〜また学校さぼってる〜」
いつもの公園のベンチに寝ころんでいると、京香が腰に手を当ててやってくる。
「さぼってんじゃねーよ、お前が来るのを待ってたんだ」
「も〜、怒れないじゃな〜い」
オレは立ち上がると、京香を抱き寄せながら言うと、京香は甘える様に言う。
最近はこんな会話が日常的になってきた。
天使だか悪魔だか知らないが、こんな日常をくれたことには感謝している。
『こら〜プリティーエンジェルのライムだって言ってるでしょ!』
「ったく、覗き見してんじゃねーよ」
「ん?何か言った?」
京香が不思議そうな顔で見つめてくる。
「あぁ、キスしたいって言ったんだ」
「な〜んだ、はい、どうぞ」
京香は目を閉じて唇を突き出してくる。
「だから、タコ口はやめろって(汗)」
オレは溜め息を吐きながら、京香の唇を塞いだ。

《おしまい》


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