番外書庫
四月二十六日。
《四月二十六日。》
「おったんじょーびおめで…と……?」
扉を開けた途端、何かが俺の頭上に降って来た。
「…なぁ萩乃…人…間違えただろ?」
「……うッ!!…ごめんなさい!ちーちゃん!!あぁ〜〜また和臣に怒られるぅ〜」
「そりゃ怒るに決まっているでしょう?貴方は何回同じ間違いをする気です?」
狭霧の言葉に生徒会室を見渡してみると…
なるほど…狭霧、光季、果ては帝王にまで紙吹雪が引っ付いている。
運が良いのか悪いのか…これだけ左京“だけ”を外してクラッカーを浴びせたのはいっそ見事としか言い様がない。
それともすべてが副会長の陰謀…いや策略なのかも…
「狭霧。そいつに説教しても無駄だ。」
「そうですね。狭霧先輩、萩乃先輩は聴いてないですよ…」
珍しいくらいに息ぴったりの光季と帝王に狭霧は、知的な色を浮かべる瞳を見開きそして細めた。
「それもそうですね。ではこれだけは言って置きます」
今まで狭霧の話全てを意識を夢の世界へ飛ばし、聞き流していた萩乃はお説教終了の言葉を聞き現在に戻ってきた。
「萩乃。掃除しましょうね?」
俺は思う。
「笑顔で怒る人は無言の圧力がある。…しかも怖い。」
俺も仕事がんばろ…
《ガチャ……》
「お前等何やってんの?」
見られたのは床を掃除する(ゴミ箱を脇に抱えている)萩乃、その横に珍しく笑顔(ある意味怖い)の狭霧。
応接の為に置いてあるソファーには机を挟んでぼーっと座っている帝王と光季(頭には紙吹雪)。
そして……どうすればいいのか分からずその場に立ち尽くす俺(頭には紙吹雪&色とりどりのテープ)
「くっ!…あははは!!お前等ほんっと馬鹿!!!何やってんの!」
いきなり左京が笑いだした。
口元に右手を当て笑い方は上品だが、言動は悪い。
「も〜なんで副会長はタイミングの悪い時に来るのさぁ〜!せっかく用意したのにぃ」
ご機嫌ななめの萩乃は立ち上がり、左京に向けて残っていたクラッカーを鳴らした。
《パァーン》
……あーあ。左京までワカメと化してしまった…
「耳が痛い。近過ぎる!!」
そう萩乃に言うと、立ち尽くしたままの俺のところまでやってきた。
「クスッ…頭がワカメ化してる。左京、お前には似合わないなぁ」
頭に色んなものをくっつけてる左京に俺は笑い出しそうになるのを堪えながら、思った事を言ってみた。
「千純は似合う。このまま結婚式でも挙げようか?」
真顔で俺の手を取り、言ってくる左京にどきりとはしたが、まさか本気ではないだろう。
「「ちーちゃん!!」」
「千純!!」
「理事長!!」
綺麗にハモった声の方向を向けば無駄に整った顔を持つ生徒会役員が。
「ちーちゃん!その人は駄目!!副会長は駄目!!!」
「ちーちゃぁん!!!副会長はドSだよ!!会長以上かもしれないよ!?泣いてるちーちゃんもイイケド、副会長は駄目ぇー!!」
「理事長!その方は危険です!!内面が危険過ぎます!!!」
「千純!結婚したいなら俺が貰ってやるから!!なんなら婿養子でもいいぞ?お前になら困らされたい!!」
萩乃のS疑惑と帝王のM疑惑が浮上した反論だったが、ムカついたのかなんなのか舌打ちした左京に敵うわけもない。
「チッ…お前等全員苦手な分野の書類を回してやるからな…?」
その翌日から数日間、俺の部屋の階下からは人の悲鳴と呻き声しか聞こえてきませんでした…
ごめん…俺にはお前等を助けに行く勇気がないよ
……頑張れ
〜・*・〜・*・〜
静羽誕生日短編です!!
楽しんで頂けましたか?
これはちょっと前にあった友人との出来事を朔の華小説風にアレンジしてみましたww
天然ボケボケの友人なのでネタが尽きません!!(笑
また友人の話も書けたら書こうと思いますヽ('ー'*)/
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