番外書庫
3500Hit*エンさんへ
《3500Hit*キリリク*千純の高校時代》
「ちーくん頑張ってるね」
そう言う彼は隣室にある朝日の差し込むベットに腰掛け、ものすごい勢いで次々にハードカバーの本を読み進めている。
「知行(トモユキ)先生…俺のベットに本の山を築きあげないで下さい」
俺も机の上に山を築いているから人の事は言えないが…ベットは駄目だ…今夜俺が寝れなくなってしまう。
「あっごめんっ!つい夢中になっちゃって…ちーくんはほとんど僕に勉強聞いてくれないし」
本当にこの人は俺より年上なんだろうか。
ある事情で学校に通えない俺は小学校から大学までに習う勉強を全て家庭教師に習っている。
一昨年、中学高校大学の勉強を教える先生として来たのが俺より5つ年上の央渡 知行(オト トモユキ)だった。
「わふっ!!…ぃ…痛い…」
いや…多分5つ年上だろう…
だって今顔面から転んだよ…この人…
「先生…ちょっとずつ持ってこれば良いんですよ」
「あはっそうだね!ちーくんちーくん」
椅子から降りて散らばった本を拾い集めていた俺に先生は手招きする。
「どうかしました?」
拾った3〜4冊の本を先生用の机に置き、長い髪をボサボサにしながらまだ倒れている先生に近付く。
「ちーくん…お願い…手…貸してぇ」
顔は美形なのに…
「はいはい分かりました…引っ張りますからちゃんと立って下さいよ…いちにーのさっ…ん!?」
なんだろう…この体勢。
真上に痛がってしかめる先生の顔が……正直近い。つまり俺は今押し倒されている…ただし不可抗力で…だけど。
「いッ…あっ!ごめんちーくん!!すぐに退くから」
慌てた先生はフラフラしながら立ち上がり俺の机へ…
「…先生…そこ俺の机だよ?」
その言葉を聞いた彼はまたもや驚いた声を上げ、次こそ本当に自分の席に着いた。
勉強が出来る天才は皆こんな天然なのだろうか…
「今日の勉強時間はお昼まで…だね。高校で習う勉強の三分の二はこれで終わりだよ」
のほほんとした口調で先生は話す。
「ちーくんに願いはある?」
勉強の話からいったいどうなったのか…それは唐突に言われた言葉。
俺の未来は決まっているのに。
絶対無理な事なのに。
こんな日常も好きだけど一度は学校という所に行ってみたい。
俺がそう呟いた五年後…
その願いは少し違う形で叶う……
厄介な生徒会付きで。
〜・*・〜・*・〜
すみません…っ
エンさんお待たせ致しましたっ!!3500Hitキリリクですww
リクが《千純の高校時代》という事だったのですが,設定に合わせて少し(?)変えさせて頂きましたが如何だったでしょうか?(・ω・;)ドキドキ
本編より五年前のお話です。
新キャラ出してしまいましたι
先生の天然ボケを楽しんでもらえたら嬉しいですvv
イラストは出来上がり次第挿絵として貼らせて頂きます。
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