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小説T
5

「いえ、何でもないです」

何時もの倍、無駄に爽やかな笑顔で答える海斗。

しかも、敬語!??
さっきのはいったい何だったんだ??

「よく分かんないけどー、西本クン来てくれるー??」

『ひッ…ゃ、ぁの…』

さっき海斗と話してる間に逃げれば良かった…。今カラでも逃げれないかな??

「早くしないと、昼休み終わっちゃう」


「あの、俺も付いてっても良いですか??」

俺が戸惑っていると、海斗が南野先輩に話しかけた。

何言っちゃってるのさ!!しかも、何で海斗サンは普通に話してるのさ??
怖さ無しですか??
そぅいえば、変な所で怖いもの知らずだらなぁ。

「こいつ、固まって動けないし、俺が付いてった方が得策です」

「んー、まぁそうだねェ。良いんじゃない??」

「決まりですね」

「じゃぁ、行こ…<ガラッ>」

俺が海斗と南野先輩に連れられ出ようとした時…

教室のドアが開いた。

ドアの方を見ると、そこには藤堂先輩が居た。

そして、藤堂先輩の周りの生徒は瞬時に離れていった。

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