[携帯モード] [URL送信]

魔王の憂鬱《一時停止中》
5
「断る・・・俺は勇者と馴れ合う気はない」

そう答えると勇者ご一行からブーイングがくる。
こいつらは本当に何しにきたのだ。
一体何のために旅してきたんだ・・・ん?待てよ、小さい頃森で出会ったってすぐそこの森じゃないか。ということはそこの一番近い国から来たってことだよな。全然長旅してないじゃないか!。なんだこの勇者ご一行は!。

「はっ、ざまぁねな、お前みたいなやつが魔王様と付き合えるとか思ってんの?」

ぐいっと急に腕を惹かれたと思ったら誰かの胸へとダイブした。
ちらっと顔をあげる。

「ルイ・・・」

この城で俺の次に力があるとされる5代魔族の内の一人、西の領土を収めているルイが、オレンジ色の鋭い目をさらに鋭くさせ勇者を睨んでいた。

「貴様、その汚い手をラウルからどけろ」

勇者が腰の剣を抜きこちらに向ける。

「きゃー修羅場よ修羅場!!」
「まぁあれだけ綺麗だとそりゃ敵いるよな」

人間vs魔族の図式はあってるけど何か違うよね。
目的が違うよね。

「こんな可愛い可愛い俺のラウルをてめぇみてぇな人間にあげるわけがないだろうが!そこの女とでも付き合え」

えっ、ルイ。俺君の上司だよ?。魔王だよ?。何で呼び捨てにしてるの?。それよりも俺のって何?。君のになったつもりはないんだけど。

「ただの部下が上司の色恋沙汰に首を突っ込むのはどうかと思うが」

バチバチとルイと勇者の間で火花が散る。
「(あぁ、早く解放されたい・・)」

ちらっとソロンの方を見るとバッチリ目があった。
助けてほしくてじっとソロンを見つめると、はぁとため息をつかれた。
そんなめんどくさそうにしないで、俺泣いちゃう。

「ってゆーかさー、魔王様に告白しにきたのは、わかったけどあんたたちなんのために旅とかしてたわけ?すぐそこの国から来たんでしょ?2日でこれるじゃん」

俺と同じ疑問を持つやつがやはりいた。視線を向けると、キュートスだった。
キュートスは北を収めている魔族だ。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!