異世界からこんにちわ《連載中》
9
ぐー
「(お腹すいたなー)」
見張りの兵は先ほど食事のためにどこかへ行ったようだ。
牢に入れられたときからなんとなく感じてたけど、ご飯はくれないみたいだ。
ヒャップが心配そうに見つめる。
「ヒカル様・・・ご飯もらえなさそうだね・・僕なんか探して持ってくるよ!!それくらいならできると思うし!」
ヒャップが牢から出ようとする。
と、その時何か声が近づいてきた。
「・・・僕牢なんて初めてだよ」
男の子のこえだろうか。
ヒャップも声を聞きオレの方に戻ってきた。
だんだんと明かりが近づいてくる。
ぴょこん。
全身真っ赤な精霊が飛び出してきた。パッと視線が会うととても嬉しそうに此方に寄ってきた。
「ヒカル様!お会いしたかった!」
赤い精霊が首もとにすりよってくる。
「えっ・・・えと」
「フレイン!?お前なんでこんなとこいるんだよー!!」
「あぁ?!お前こそなんでここいんだよ、抜け駆けすんなよ、てかお前がいながらヒカル様をこんなとこに置いとくなんて、どんだけ使えないやつなんだよ」
オレの目の前でいきないケンカしはじめた精霊二人。いったいどうしたんだ。
「・・・・フレイン!どうしたの?・・あっ!」
赤い精霊がきた方からろうそくをもって同い年くらいの少年がやってきた。
見た目は華やかな格好で、金髪に碧眼。
陛下にどことなく顔が似ている。
「フィス!この方がヒカル様だ!」
赤い精霊が少年の方に近寄っていく。
この人は一体誰なんだろう。
「えと、こんばんは・・オレは月城光です、君は?」
「ぼ、僕はシュザリン王国の王子フィスク・レイ・シュザリンです・・・ヒカルって呼べばいいのかな?」
フィスは驚いた顔をしながら自己紹介しはじめた。
「あっ、俺も自己紹介してない!ヒカル様、オレは炎の精霊王のフレインだ、ヒカル様に会えて光栄です」
「王子に炎の精霊王か・・・よろしくね」
「ヒカルは駄人って聞いたけど、言葉を話せるし理解もできるんだね、それに精霊も見える、僕驚いちゃった」
やはり精霊が見えるのも駄人が話すのも稀なようである。なんか毎回こんな反応されるの嫌だな。
精霊見えることは俺も驚きだけど。
「ヒャップもこの二人とは知り合いなの?」
たぶん精霊同士はケンカしてたから知り合いだろう。
「えと、ごめんね僕にはフレインしか見えないんだ」
「えっ?ヒャップのことが見えないの?」
「ヒカル様にはまだ説明してなかったけど、普通は契約属性の精霊しか見ることはできないんだ・・・だけど、ヒカル様は精霊神様から力を分け与えられてるから全ての精霊が見えるんだよ!」
「君はホントに精霊神に愛された子みたいだね」
王子が驚きの顔で俺を見る。
俺もそのことに関しては未だに謎である。
精霊神と会ったことないからそう思うのかな。
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