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異世界からこんにちわ《連載中》
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牢屋の看守はこちらに興味がないようで、カゼルさんと入れ替わりに入ってくるなり、近くに置いてある椅子に座り武器を磨き始めた。
目の前で武器なんて磨かれたら、殺されてしまうのではないかと怖くなる。
様子を見るって言ってたけど、本当にそうなのだろうか。
わざわざ牢屋に入れたのは衰弱死させるためなのではないだろうか。
すぐ殺すよりも保護したけど病気でなくなったとかの方が国王の株も上がりそうだし。慈悲深い王様って。

「(あーだめだ、牢屋に入ってるせいかネガティブになってしまう)」

『ヒカル様ヒカル様♪』

あれ?今なんか聞こえた?でもここにはあの兵と俺しかいないよね?兵には聞こえてないみたいだし・・・気のせいかな。

ブュン!

「(・・・なんか今目の前とおった?)」

『ヒカル様!お会いしたかったです♪』

気のせいかと思ったけど今度はちゃんと目の前に現れた。
青い長い髪をひとつに縛り、中性的な顔をしている小さな羽を生やした小さな人間が喋りかけてくる。
妖精だろうか。
驚きすぎて声も出なかった。いや、でもこれ正解だったのかも。声だしたら兵に何かされるかもしれないし。
それにしてもなぜ俺の名前を知っているのだろう。

『そーですね、ヒカル様にしか私は見えてないので声ではなく、思ったことを頭に浮かべてください♪』

『わ、わかった』

『初めまして、僕は水の精霊王ヒャップ!ヒカル様に会えるのずっと楽しみにしてたんだー』

ずっと楽しみにしてたって、ここにくる前から俺のことを知っていたということだろうか。

『精霊王?妖精ってこと?』

『んーまぁそんな感じ!』

フフッとヒャップが笑う。

『よろしく、ヒャップ・・・それよりもなんでオレの名前知ってるの?』

『えーだってヒカル様は精霊神様が愛した人だもん♪精霊は皆知ってるし、皆ヒカル様のこと大好きなんだよ!僕ねー早く会いたくて皆に内緒でヒカル様探しにきたの!』

精霊神に愛した人って・・俺愛された記憶ないし、そもそも精霊神に会ったこともない。
何かの間違いではないだろうか。

『精霊神ってなに?俺会ったことないと思うから違うと思うんだけど・・・』

『精霊神様ってゅーのは僕ら精霊の頂点にたつ一番偉いお方だよ!間違いなくヒカル様は精霊神様が愛した人だよ!
それよりも・・・なんでヒカル様こんなとこにいるの?ここ負のオーラすごいし、汚いしヒカル様にあわないよ!』

ヒャップがぷんすか怒り始める。
ピー●ーパンに出てくるティ●カーベルってこんな感じだろうか。
なんか可愛くて癒される。

『んーでも出たくても出れないんだよね、俺駄人みたいだから死ぬまでここにいなきゃダメみたいなんだ』

『はぁー!?駄人!?ヒカル様が!?そんなわけないじゃーん!!ヒカル様はものすごい魔力持ってて高貴なお方なのに!ホント人間ってそーゆーの気づけないんだから!勝手に決めつけて、自分の利益になるようにしか他人を見てないし』

妖精は人間が嫌いってどこかの物語で読んだことがあるけど、実際の精霊もそうなのかな。
というようり俺が魔力持ってるってどーゆーことなんだ。
そんな力があるようには感じない。

『ヒャップ、魔力を持ってるってどういうこと?』

『ヒカル様はね、かつて精霊神様が愛し、力を分け与えた人間なんだよ?普通の人間は、魔力なんて持ってないけど、ヒカル様は特別なの♪炎や水を操れることができるの!』

ヒャップが首もとにぎゅーと抱きついてくる。くすぐったいけど可愛い。なんか牢屋に入れられてること忘れそうだ。
かつて精霊神に力を分け与えられたってことはそれ、正確に言うと俺じゃない前世の誰かってことだよね。この世界に来たのは初めてな訳だし。
それにしても炎とか水操れるなんて格好いい。


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