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異世界からこんにちわ《連載中》
3
「はぁ・・はぁ・・」

少年はただひたすら走っていた。
後ろを振り返らず、ただ前を。

「ひかるー!!なんで逃げんだよ!!」

なんでなんだ。なんでお前は俺に執着するんだ。
なんで俺を離してくれないんだ。

「あいつどこまで付いてくんだよ!」

お前の周りには、お前を愛してるやつらがたくさんいるではないか。
なんでこにむ無理矢理俺を入れようとするんだ。

「(このままじゃ埒が明かない、どっか教室にでも隠れて・・)」

走りながら空き教室がないか探すが、ここは特別棟である。
決められた授業でしか使用されない特別棟の教室は、一般棟と異なり鍵がかけられていることが多い。

「(あー!!俺の馬鹿!お馬鹿さん!なんで特別棟に走ってきちゃったんだよ)」

絶対に捕まりたくないと思いながら、近くの扉のドアノブを捻るが、鍵がかかっている音しか聞こえてこない。

『こっちよ・・・』

「えっ・・?」

今誰かの声が聞こえたような気がする。
しかも女性の声。
いや、でもここは男子しかいないところだ。女性の声が聞こえるわけがない。
気のせいだ。追い込まれ過ぎて幻聴まで聞こえてしまったのか。
自分に呆れながらも足を止めず走る。

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