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異世界からこんにちわ《連載中》
2(カゼルside)
「(トランス様はこの様に言うが本当に正しいのだろうか)」

カゼルは内心焦っていた。
確かに黒はこの国では不幸を象徴するもの。
しかも双黒なんて初めて見る。
そして神子意外の異界人は駄人と呼ばれ虐げられている。
それは、彼らが私たちが理解する言葉を話せず異界の言葉を話すゆえ、気味悪がられ、見つかり次第殺される、または奴隷にされるのである。
しかしこの彼はどうだろう。言葉も理解し、話すことができる。とてもイレギュラーな存在ではないか。

それに私は駄人を嫌ってはいない。魔術師という仕事柄駄人についてはいろいろと研究してきた。彼に対して不当な扱いをしたくないが、証拠もなく国王に意見を言うこともできない。
その上、国王も大多数意見に賛成のようでこの彼を拒絶している。

しかし、彼はカシワバラケイイチよりも賢い人のように感じる。
直感的に彼を手放してはいけないと感じる。
それになぜかわからないが、弱々しくみえ守ってあげたくなる。この様な状態で牢にいれても大丈夫なのだろうか。

「おいっ、ちんたらしてるんじゃねー!!!」

ガッと兵が彼の腹を殴る。

「彼を傷つけないでください!それにそんなことをしたら彼があるけないではないですか!」

急いで彼と兵の間に割り込んで止める。

「カゼル様!お言葉ではありますが、こいつは駄人です、そして牢に入るということは罪人なのです、カゼル様のお情けは無用なのです」

「申し訳ありませんが、私はまだ彼にも神子の可能性があると思っております、どうか傷つけないで欲しい・・・私も牢まで共に参ります、話したいことがあるので」

きっと彼はこちらに来たばかりで何もわかっていないだろう。いろいろと教えてあげなければ。
それに、なぜか彼のことが気になって仕方ない。

「し、しかし、カゼル様の様な人が牢のようなところに行かれては・・・」

「誰がなんと言おうと付いていきます」

こちらが一歩も引かない姿勢を見せると兵の方も困ったような顔をしたが、渋々と了承してくれた。

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あきゅろす。
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