異世界からこんにちわ《連載中》
6
「ヒカル...」
低く優しい声が暗闇の中から聞こえる。
誰かが俺を呼んでいる...
「だれ...?」
問いかけるが暗闇の中には俺が一人いるだけ。
周りを見渡しても目の前はただの闇。
「誰かいるの?」
いくら問いかけてもその声の主から反応がない。
「ヒカル...」
俺の問い掛けなんて無かったかのようにまた俺の名前を呼ぶ。
一体誰が俺を呼んでいるんだ...
「貴方は誰...?」
目を開けると白い天井と昨日までとは違う部屋。
「さっきのは夢....?」
変な夢だったな...
あの声は一体誰だったんだ..
「ヒカル様おはよう」
夢のことを考えながら起き上がると目の前にボンッとフレインが現れた。
「フレイン!?なんでここに...」
驚いて体がビクンと跳ねる。
「ヒカル様が本殿来たって聞いたから来たんだけど...」
フレインがくるりと部屋を見渡し、眉間にシワを寄せる。
「こんなにホコリっぽい部屋とかヒカル様に似合わない」
「本殿入れただけでも俺にとっては光栄なことなんだよ?しかも一人部屋だし十分だよ」
確かにホコリっぽいかもしれないけど、昨日のクモの巣が張っていた状態よりは全然マシだ。
フレインをなだめているとドアの方から小さな声が聞こえてきた。
「フレイン...駄目だって..早く戻ってきて」
この声、もしかしてフィス...?
フレインの方を見るとドアの向こうにいるフィスの存在を忘れていたようで、しまったという顔をしていた。
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