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異世界からこんにちわ《連載中》
3
キリさんの後を付いていくとなんだか人気が少ない場所に辿り着いた。

「こちらのお部屋になります」

キリさんが部屋のドアを開けるとたくさんのホコリが漂い、息苦しくなった。

「ごほっ、ごほっ」

何このホコリ臭さ。
部屋の中を見るとあちらこちらに蜘蛛の巣がかかっていて、何年も使ってなさそうだった。
本殿の中にこんな部屋があるなんて予想外だ。
まぁ、普通の部屋ではないだろうなとは思っていたが..
さっきフィスが不思議そうにしていた理由はきっとこういうことだろう。

「申し訳ありませんがこの部屋をお使いください、掃除用具は後でお持ち致しますので」

そう言って、キリさんはこちらに鍵を差し出した。
そういえば鍵を貰ってなかったから、キリさんが居なかったら部屋は見つけられたとしても入れなかったじゃん!

「あの、案内ありがとうございました」

お礼を言うとキリさんは面食らった顔をした。
えっ..俺、何か変なことでもしただろうか。

「い、いえ...では私はいったん失礼させていただきます」

そう言ってキリさんは足早に去っていった。
室内にポツンと一人残されるとなんだか寂しい気持ちだなー。

「...とりあえず部屋の換気だな」

さっきからホコリのせいで喉が痛くて仕方ない。
少し動きが鈍い窓を開けると気持ちよい風がなだれこんできた。

「さてと...」

部屋をぐるりと見渡すと必要最低限の家具しかなく、とても質素なものであった。
ドアの装飾とのギャップが激しいなー。
ほとんどの部屋がこんな感じなのだろうか。
でも一つ言えるのは、離殿の部屋よりは広く家具も良さそうなものであった。

「あのドアなんだろう...」

部屋の中には一つドアがあり、開けてみるとそこには浴槽があった。

「うそっ...お風呂つき!?意外といい部屋じゃん!」

こんないい部屋に通されるとは思っていなかった。
ホコリと蜘蛛の巣だらけだけど、掃除すればなんとかなる問題だし、お風呂つきなんて俺のなかではかなり待遇いい。
やっぱりお風呂って皆からジロジロ見られて気が休まらないんだよなー。

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