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異世界からこんにちわ《連載中》
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「ねぇ、あれでしょ?神子様と来た駄人って」

「忌々しい黒ね...」

「今日からここに住むらしいわよ

「陛下は一体何をお考えに...」


メイドさん達が俺の姿をちらちら見ながらこそこそと話始める。
あーこの感じ久しぶりだなー。
初めて離殿で暮らし始めたときもこんな感じだったっけ...
またつらい思いをしなきゃいけないなんて。
それに.....

「あー!!!光!!久しぶりだな!!」

無駄に大きな声で大きなリアクションで近寄ってくる男が一人。

「げっ...」

こいつと同じ場所で暮らさないといけないなんて!!!
処分が下るかもしれないのは凄く嫌だが、はっきし言って、こいつと...柏原と同じ屋根の下で暮らす方がもっと嫌だ。
せっかくこいつの顔を見ないで生活できたというのに。

俺、今なら陛下を呪い殺せそうな気がする。

「光今までどこにいたんだよ!!駄目だろ?ちゃんと俺の側にいなきゃ!!」

なんでお前の側にいなきゃいけないんだ。
隣でキャンキャンうるさい柏原を無視してスタスタと歩く。

「おいっ、無視するなよ光!!」

この僅かな時間だけでも耐えるのが苦痛だ。
どうやったら力が発揮できるのか考えないといけないというのに。
どうやったらこいつと会わずに暮らせるかを最優先に考えた方が良さそうだ。

「ヒカル!」

前の方から綺麗な身なりをした男が一人駆け寄ってきた。

「フィス」

フィスが嬉しそうに近寄ってきたと思ったら、そのまま強く抱き締められた。

「フィス!?ちょっ...」

「僕嬉しいよ!ヒカルがここで暮らしてくれるなんて!」

周りにいるメイド達から小さな悲鳴が上がる。
きっと俺に抱きついていることに衝撃を隠せないのだろう。
何人かがフィスを引き剥がそうと近寄ってきた。

「王子!その様な者に触れてはいけません!」

バイ菌扱いされてる気がするのは気のせいだろうか。

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