黒に包まれて《連載中》
城の中の湖
「はぁ・・今日も泥だらけになってしまった」
馬小屋の掃除は全身泥塗れになってしまう。
入浴すればいいだけの話なのだが、自分が使用する風呂場に問題があった。
なんとお湯が出ない場所であった。
いや、もしかしたらあそこは風呂場ではないのかもしれない。
まだ本格的な冬ではないからいいものの、これから寒くなってきたら冷たい水だけでは体が凍えてしまう。
「このまま城に入るとまた貴族や衛兵に嫌みを言われるからな・・泥を落とせる場所はないだろうか」
ふらふらと城の敷地である林の中を探し回ると小さな湖が現れた。
「うわー綺麗・・・」
太陽の光に湖が反射しておりキラキラ輝いている。
手をそっと湖に入れてみると、冷たい水ではなく温水であった。
「あったかい・・」
ここだったら冷たい思いをしなくても泥を落とせるかもしれない。
着ている洋服を脱いで、湖の水で洗う。
「石鹸でもあれば綺麗に洗えるのにな」
仕方がないなと思いながらも丁寧に水で泥を落としていく。
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