黒に包まれて《連載中》
②
魔王の顔に布を当て汗をふくとすぐに生暖かくなってしまう。
何回も繰り返していると、熱もだいぶ落ち着いてきたのか、呼吸が正常に戻ってきた。
「(よかった、汗も引いてきた)」
最後に水でよく濡れた布をおでこに乗せる。
少しは役に立てたであろうか。
とにかく落ち着いてよかった。
おじさんの時は必死に看病しても落ち着くことは無かったので、落ち着いたことにひと安心する。
朝まで側にいて看病したいが、きっと朝起きて自分がいたら機嫌を損ねるかもしれない。
そう思い、心配になりながらもソファーに戻り目を閉じた。
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