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黒に包まれて《連載中》
水将軍
「森の中にある湖ですか?」

湖から戻ってきたあとすぐに湖の主のことについてペスに尋ねてみた。

「うん、綺麗な水色の髪と目で、下半身が魚の鱗になってて・・」

思い出しながらペスに話していると、ペスが分かったのか目を丸くした。

「カント将軍とお会いになったのですね!?何もされませんでしたか!?」

ペスが怪我はないか確認しようと服をまくってくる。

「大丈夫だよ、それにしても何でそんなに驚いたの?」

危害を加えられたかと心配するくらいだから、人間に攻撃的な人なのだろうか。
本人も人間が嫌いと言っていたし。

「カント将軍は人間嫌いで有名なのです、軍の中でも一番の実力の持ち主で、長くに渡ってきた戦争も前線で隊長として戦ってきました・・・その湖は魔王陛下から褒美として与えられた湖だと思います、水将軍とも呼ばれている方なんです、それにしても城の庭にはいくつか湖があるのですが・・」

運悪くその湖に入ってしまったということか。
それにしても見た目は20代半ばに見えたが、一番の実力をもつとは人は見かけによらないということか。
この場合は魔族だが。

「お怪我なく帰ってこれたということはカント将軍も今日は機嫌が良かったのかもしれませんね」

紅茶を注ぎながらペスが嬉しそうに話す。
魔族にあんな風に面と向かって殺すと言われたのは初めてであった。
私は島流しにあった身だったので戦争に参加することはなかったが、あんな殺気にあてながら戦うことはかなり恐怖だったに違いない。

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あきゅろす。
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