コバナシ。
ぐらどるっ!! 3
さぁどうぞ、と言わんばかりにユーリはベッドの上にあった雑誌や写真集を開いて見せた。
これは評判が良かったポーズで、この衣装はカメラマンが凄い推してた、なんて説明しながら、僕にしてほしいポーズや衣装を選ばせようとしている。
次の撮影のテーマの研究なんだから、過去の写真から選ぶのは良くないんじゃ、と僕は言ったんだけど、過去の作品からアレンジした方が手っ取り早い、だそうだ。
にしても…
「ど、どれも彼氏の前でするには刺激的じゃないかな?」
「何いってんだ、彼氏だから良いんだろ。ほら、これとか…」
そう言ってユーリが指差したのは四つん這いになって胸元を強調したポーズ。
「おっさんが『このポーズで彼氏の上に乗り上げれば悩殺間違いなし!彼氏のムスコも元気になっちゃうことうけあいよ〜』って。」
でも何で息子?娘じゃ駄目なのか?そもそも子供がいるなら彼氏っていうより旦那だろ、なんて言ってるユーリに思わず頭を抱える。
「ユーリ、その場合のムスコっていうのは子供のことじゃないよ…」
「??そうなのか?…まぁ、やってみれば分かるよな。フレン、ちょっと邪魔するぜ」
「ちょっ…ユーリ!!」
突然僕に乗り上げてきたユーリに僕は狼狽えてバランスを崩してしまい、咄嗟に手をついて体を支えたが、あとちょっとで背中が床にくっつきそうな体制になる。
びっくりして閉じてしまっていた目を開くと、その光景に息を飲んだ。
これは…さっき見せられたユーリの写真のカメラアングルそのものだ。
大きく空いた胸元はくっきりとした谷間を作っていて、サラリとしたユーリの黒髪がしなやかで白い背中に流れる様は非常に艶かしい。
「な、フレン、嬉しい?悩殺された?」
「…っさ、された、されたからユーリ、ど、どいてっ…」
じゃないと僕のムスコが元気になっちゃうから…!
「…む、そんなんじゃちゃんとした感想になってないだろ。どこが良いのかちゃんと言えよ」
むにっ。
そう言いながら迫るようにユーリが大きくて柔らかな胸を僕の胸元に押し付けてきた。
あぁぁぁ!もう駄目だ!いや、落ち着け。円周率を…3.14159265358979323846262338…
少しは落ち着いてきた僕は、とりあえず率直な感想を述べることにする。
落ち着いたとはいえ、頭はまだどこか混乱していて、取り繕った紳士的な返答は思い浮かばなかった。
「むっ、胸の谷間がすごく良く見えてっ…そそられるっていうか…あ、あと背中のラインとか、色っぽくていいと思うよっ?」
ああどうしよう言ってしまったユーリ呆れてるだろうな、と思ってユーリに向き直るとユーリは真っ赤になっていた。
「フレンのスケベ…」
でも嬉しい、と呟いたユーリに、僕の理性はさすがに耐えれなくなって、思わず僕はユーリの肩を掴んで、すぐ横のベッドに押し倒そうとー…したが、ユーリがじゃあ次は違う衣装な!と言って突然立ち上がってクローゼットに言ってしまったため、僕の手は宙に舞った。
「フレン、着替えるからちょっと待っててくれるか?」
僕のそんな心を知ってか知らずか、ユーリは僕にそう聞いてきた。
あんな格好であんな体制は平気でするくせに、着替えは恥ずかしいのか…と思わないでもなかったが、反射的にあ、はい…と答えて、バスルームの方へ消えていくユーリの背中を見送った。
それにしても、グラビアという仕事はユーリの羞恥心の感度を変なふうに変えてしまったらしい。
それに、どうやらマネージャーらしい『おっさん』とやらもユーリに変なことを吹き込んでいるみたいだし…先が思いやられるな…
そう考え事をしていると、ようやくユーリがバスルームから出てきた。
どう?と言いながらユーリくるりと回って見せて、スカートの裾がひらりと舞う。
なんだ、セーラー服か。そんなに露出度が高くない衣装で良かった。
安堵していると、ユーリが上目遣いで鼻先がくっつきそうなくらい顔を近付けてきた。
「で、どうなの?」
ズイッと更に近づいて、僕の瞳をのぞき込むユーリに、
「に、似合ってるよ!」
「…それだけ?ドキドキしない?」
「す、するよ!そんなふうに大きな瞳で下から覗きこまれたら…ドキドキするに決まってるじゃないか…!」
ドキドキっていうか、ムラムラに近い気もするけど…良く見るとセーラー服ってユーリが着るとなんかイヤラシく見えるし…と心のなかで呟く。
「おぉ、おっさんの言ってたこと当たってんなーやっぱり上目遣いって男は嬉しいものなんだなー」
……どうやら、ユーリはドキドキ、ムラムラ=嬉しい、というふうに教えこまれているような気がする。
確かに、グラビアとしてはちょっと刺激的でヤラシイ格好が見る人には求められているだろうから、ある意味正解だろうけど…
そうなると、僕はユーリのエッチなポーズをこれから延々と見せられることになる。これは拷問だ。
そうこう考えているうち、当のユーリはまた新しいポーズを思いついたらしく、部屋の端にあるベッドに腰かけた。
「じゃ、次はー」
そう言いながら、ぽすんっ、とユーリの身体がベッドに沈み、これは?と言って片足の膝を下着が見えるか見えないかの角度で折り曲げて、腰をくねらせた。
ユーリはどうだ?これ、好きか?なんて聞いてたけど、僕の頭は真っ白になっていた。
これ、誘ってるよね、誘われてるよね。もういいよね、僕我慢したよ…!
いや、さっき初めてのキスをしたばかりなのに、いきなり事を進めていいはずないじゃないか…!きっとユーリは純粋に仕事のためで、無意識なんだから…!あぁでも実は意識的にやってて、僕にしてほしいのかも…
なんて僕の中の天使と悪魔が言い合いをしていると、なぁ、とユーリ(紛れもなく僕の天使)が声をかけた。
「もっと近くに来て、見て」
良いトコロ、教えてくれよ。
そう桜色の唇が囁いた。
その瞬間、今度こそ僕の理性は崩壊し、本能に導かれるままに細い身体に覆い被さり、その唇を深く貪った。
END
*****
強制終了〜\(^o^)/
俺得ですみません。
続きは気が向いたら書きますー
需要あるのかなコレ(笑)
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