7.あいたくてたまらない(立波、愛)
最近仕事に忙殺されている。ポーランドにしばらく会えていない。本人から電話やメールは来るが、結局会えていなかった。
「リトアニア、この書類…おっと」
メールの返信に悩んでいたところにエストニアが書類を運んでくる。2、3枚をオレの机に置いてどうしたの、と聞いてくる。
「ポーランドからメールがきて」
「返答に困っているんですか?」
まあね、と肩を竦めて見せると、エストニアは苦笑いを見せた。
「ポーランドは半端な答えじゃ満足しないでしょうね」
「本人の中の満点じゃなきゃダメみたいで。探るのが大変」
「健闘を祈りますよ」
書類をよろしく、とエストニアは帰っていく。オレは手元の端末に視線を落とす。
彼の欲しい返答とはなんだろうか。
「…」
カタカタと操作してメールを送る。机に置いて書類に目を通していると、メールが帰ってきた。
『恥ずかしい奴。そんなに会いたいなら、こっち来ればええし』
文面から機嫌の良さそうな感じがする。そして、最後の方にぽろりと。
『オレも会いたくてたまらない』
カッと頬が赤くなる。もう仕事とかどうでもよくなった。帰ってから仕事出来るし。
『待ってて、今会いに行くから』
全て片付けて、荷物を持って部屋を飛び出す。
今頃、嬉しそうに声を上げているだろう恋人に会いに行くのだ。
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