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8.君の涙にキスをした(仏米、加)

「やぁだー!オレも行くー!」

「だから仕事だって…もう時間ないから!」

「そうだよアメリカ、ね、僕と遊んで待ってよ?」

久々に僕とアメリカとフランスさん3人で遊んでいたら、フランスさんに突然の仕事の呼び出し。バタバタと支度をするフランスさんにアメリカがわがままを言っているのだ。
オレも付いていく、と。

「カナダとはいつでも遊べるけど、フランスとは中々遊べないよ!最近仕事仕事ってそればっかり!」

「お前は奥さんか…ああ、泣かないで!」

ぼろぼろと泣き出したアメリカにフランスさんが寄り添う。頭を撫でて抱き締めて、瞳にキスをする。
…僕いるんですけど。眼中にないですかそうですか。

「ううっ、ぐすっ、早く帰ってくる?」

「なるべく。終わったらすぐ来るよ。
カナダも、アメリカと遊んでて?」

「あっ、はい…」

…アメリカの恋を応援した身としては、アメリカを泣かせるフランスさんに怒りを覚えたり、僕にも甘かったフランスさんを盗ったアメリカが恨めしかったり、複雑な気持ちだけれど。

「…アメリカ、ゲームしようか。君の得意なやつでいいよ」

「…うん!フランス、早く帰って来てね、じゃないとカナダぼこぼこにしちゃうんだぞ!」

「オレの可愛いカナダがボコられるのは可哀想…早く帰って着ます」

フランスさんは僕によろしく、と声をかけて早足で出ていった。アメリカは寂しそうな顔をしたけど、すぐに涙を拭ってゲームの準備をしている。

(まあ…いっか)

たまに恨めしく思うのはいつものことだ。アメリカが嬉しそうならいい。

「カナダ、この前日本がくれたゲームがあるんだ!それやるんだぞ!」

「アクション苦手…」

「得意なやつでいいって言ったのはカナダだぞ」

「あー…、はいはい」

僕達はフランスさんが帰って来るまでゲームで遊んだ。夜遅くに帰ってきたフランスさんが見たのは、リビングに転がって眠る僕達だっただろう。
ちなみに負けまくった。

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