3.恋は砂糖でできている(仏米) 愛情が足りないと、人は甘い物を欲しがるらしい。 だから、ふと甘い物が欲しくなって、家中を探し回って出てきたのが日本からもらったドロップで、イチゴ味、なんて思いながら食べているのは。 「フランスのせいだぞ」 甘酸っぱい味に慰められながら、クッションを抱いてソファーに転がる。 仕事で忙しいのはお互い様、そんなのわかってる。それでも中々会えないのは精神的にくる。つらい。 「オレンジ、メロン、リンゴ…」 口の中からなくなり次第次々に食べていくと、最後に出てきたのはハッカ。ミントはついてない、と思いながらも口に含む。 甘い中にほんのり辛味があって、それがじんわりと沁みていく。 恋も同じな気がした。 (砂糖みたいに甘いだけじゃないんだぞ。ちょっと辛かったりしょっぱかったり、酸っぱかったり) でもやはり甘い恋が1番だ。べたべたに甘い方がいい。 (フランスまだかなぁ…) べたべたに甘い恋をくれる相手はまだ来ない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |