4.はにかみを数えて(人出)
「…つーことがあってさぁ」
「おい」
「僕はその時何してたと思う?」
「おい出夢」
「え?なにぃ?」
「なんでお前がここにいるんだ帰れ」
「いーじゃん」
「よくねぇ!!」
オレの怒鳴りになんだよーなんて頭を掻き毟りながら、出夢は脚でオレを差す。
「人識がいたから」
「キモイ!!」
思わず絶叫する。
ったく、修行しようとしたらどっからか出て来るしよう。こいつの相手疲れるんだよなぁ。
「出夢。帰ってくれ」
「やだよ。
ねえ人識、また僕と遊ぼうよ」
僅かに膨らんだ胸がギリギリ見えない、際どい服を着込んで、出夢は言う。
つか、今まで上半身裸だったんだよなぁ。オレも慣れたもんだぜ…。
「早く強くなって僕を楽しませて?」
「オレはお前を楽しますためにいる訳じゃないんだが…」
「でも人識は強くなりたいんだろ?だったら一緒じゃないか」
どこがだボケ。
オレのツッコミにもケラケラ笑っている。
…ふむ。これは…惚れた弱みってやつか?出夢に対して強く出れない。
いやほっとくとマジオレこいつに殺されるけどな。
「…わかったよ。1回だけな」
「やった!まあ断ったら殴ってたけど」
「よかったオレ!ナイス!!」
マジ危ねぇ!!
こいつガチやべーよ!!
冷や汗流しながら上着を脱ぎ捨てていると、出夢は若干?頬を染めながら岩の上から降りた。
「僕、楽しみにしてたんだ、人識と遊べるの」
…はにかんでいる、だと?
うわー可愛くみえるこの殺人鬼…いや殺し屋だけど。ヤバイヤバイヤバイ。
普通にしてればこんなに、
「それじゃ行くよー」
「え?あ、ちょっと待っ」
「【一喰い】!!!」
「待てってさすがに死ぬ!!」
…普通にしてればこんなに可愛くない!
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