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小説
ある暇な午後に(伊+波)

ふわりと浮き上がった泡玉を見上げて、ポーランドは湯船で脚を伸ばす。その足先に触れた柔らかな肌を、爪先で軽く押す。
相手は軽く湯の中で爪先を叩いた。

「ポーランドやめてよ〜」

「イタリア太ったんじゃね?」

「それはポーランドの方でしょ?むにむにしてる〜」

イタリアはポーランドの脇腹に手を伸ばしむにっとつまむ。くすぐったそうに身を捩ったポーランドは、泡の付いた手で相手の頬をつねった。

「マジオレ、お前と違って鍛えてっから!」

「いひゃいよ〜!
でもむにむにしてるよ?肉付き良くなったね」

「それ褒めてなくね?」

「むふふ、リトアニア喜ぶよ?」

「リトはええんよ、あれ意外と筋肉の塊っつー」

ポーランドは泡の浮いた湯船で顔ギリギリまで沈む。甘い香りが鼻腔をくすぐり、これにいて良かったと思う。イタリア目掛けてそっと目の前の泡を吹いた。

「マジイタリアとの風呂久しぶりじゃね?」

「そうだね〜。ポーランドはリトアニアとお風呂入るの?」

「入っけどー、リトと入ると8割えっちしかしないし」

「あららー」

苦笑したイタリアはリビングでわたわたと歩き回るリトアニアを想像する。今頃心配したような困惑したような顔をして、歩き回っているだろう。
ポーランドはほんと困るしーと渋面を作る。

「あんの狼許さんからマジ!」

「まあでもポーランド可愛いからねー、リトアニアも我慢出来ないんじゃない?」

「こっちはそんな体力保たんし」

つかのぼせるーとポーランドは立ち上がった。泡が張り付いているが白い肌がほんのりと赤く染まっている。
うん、とイタリアは頷く。やっぱりリトアニア我慢出来ないよ、と思う。

「イタリア出ないん?」

「もうちょっと温まってるよ〜、先に出てて」

「ん〜」

シャワーで泡を洗い流し、ポーランドは風呂の扉を開ける。湯気と共に消えるポーランドが扉を閉め、しばらくするとリビングからリトアニアの焦った声が聞こえた。ポーランドの笑い声も聞こえる。
やはりリビングを歩き回っていたようだ。

「…別にオレ、ポーランドに手を出したりしないよ〜」

兄ちゃんいるし、と呟いて立ち上がる。ポーランドと同じように泡を流し、風呂を出た。



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