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小説
2015.7.22 誕生日(リトポ)
キャラ表記
リト:リトアニアのこと
ポー:ポーランドのこと
リア:オーストリアのこと
ガリ:ハンガリーのこと


「リトー!見てこれぇー!」

「ああ、うん…」

皆さんどうもこんにちは、リトアニアです。今日はオレの親友兼相棒ポーランドの誕生日のため、朝から(と言うより数日前から)あいつの喜ぶ料理やらプレゼントやらを用意して、いざあいつの家に来てみれば…。

「…全部プレゼント?」

「そう!
こっちはイタリア、こっちはフランス、これはリアとガリからの連名、あ!ロシアからも来てるし!」

「……」

リビングいっぱいに広げられた大小様々なプレゼントの山。それを1つ1つポーランドは持ち上げたり指し示し、オレに説明する。

「イタリアからはヴェネチアンガラスのペンダント!ちょっと赤が強いけどきれいなピンクだし!
フランスからは可愛い髪留めとマカロンたくさん!あいつのお菓子超旨いから大好き!
リアとガリからはトルテと服が来たんよ、トルテはリアが作ったってすぐ分かったけど、この服めっちゃ可愛くない!?ガリ自分で作ったって。マジ女子ってすごいし」

矢継ぎ早に喋ったあと、ひらり、と女の子の服を持ってポーランドはオレに見せる。
…うんまあ女の子の服だし、女の子が来たら可愛いんじゃないかなぁ。確かにポーランドにもよく似合ってると思うけど。
全てを言うと不機嫌になるので後半だけ言うと、上機嫌で笑った。

「オレが可愛いのは分かっとるし!でもリトはもっとオレに可愛いって言うべきだと思うんよ!」

「えぇ…?」

オレは頭の片隅でだってお前男じゃんと思ったけど、言ったら絶対不機嫌になって拗ねて口きいてくれなくなるし、大切な日をそんなことで潰したくない。服を持ってくるくる回るポーランドをほっといて、オレは料理の入った袋をキッチンに置いて、プレゼントの入った方の袋をポーランドに差し出す。
するとポーランドの興味はすぐに袋に向いた。持っていた誰かからの開けかけのプレゼント、それから服を置いてオレから袋を受け取る。オレはそれに少しだけ気分を良くする。要はたくさんのプレゼントの山にポーランドを盗られた気がしてちょっと気に入らなかっただけだった。
興味津々としたポーランドは自分の腕にすっぽり入る大きさのやや筒状の袋をしげしげと見つめ、顔を上げる。

「リト、これ何なん?」

「さあ、なんでしょう?」

少し意地悪くとぼけて見れば、ポーランドは袋を軽く押したり振ったりした。それを何度か繰り返し、軽い・柔らかい・特に音がしないを確認し、再び顔をこちらに向ける。

「…開けてい?」

「いいよ」

それはオレからお前へのプレゼントだし、もうあげたから好きにしなよと追加で言えば、嬉々として袋を破り始める。きれいな袋がゴミに…と思う間もなくポーランドは袋を一瞬でゴミにし、中から取り出した物に歓声を上げる。

「ポニー!ポニーだしー!しかもピンクー!」

きゃあきゃあ笑い声を上げるポーランドは、ぎゅうっとポニーのぬいぐるみを抱き締めた。
確実にこいつの喜ぶ物と言ったら女物の服や小物、アクセ類、ピンクの物、あとはポニーしか分からなかった。ので、オレはないものはないことで有名な極東の島国に旅行ついでに探したら出るわ出るわ、その中でもポーランドが喜びそうな物を選んでラッピングまでしてもらった。
にしてもあの国、女の子物は充実してるわピンクのポニーのぬいぐるみは売ってるわラッピング技術は凄いわ、色んな意味でびっくりした。
など、オレが色々と思い出していると、ポーランドは緑の目をきらきらさせてこちらを見ていた。なに?と首を傾げると、えへへとぬいぐるみに顔を埋めながら嬉しそうに笑う。

「リトー」

「なぁに」

「…ありがとだしー」

「…言うの遅くなってごめん、誕生日おめでとう、ポーランド」

「うん、ずっとこれからも一緒にいて欲しい…ってか」

「?」

言い淀むポーランドに首を傾げると、ポニーに顔を押し付け、ポーランドはこちらを見ていた。
なんか顔が赤い気がする。

「これからも一緒にいるつもりだけど」

「あ、うん、そうじゃなくて…」

「そうじゃなくて?」

「…ずっと…リトの特別でいたいとか、思ってみたりしたんやけど…」

「!」

ポーランドの言葉にオレは目を見開く。変?とか、いや?と小さく聞いてくるので、全力で否定した。

「オレもお前の特別でいたいよ。ずっと前から特別だったけど、これからもずっと特別」

「……リト大好きー!」

「わっ!」

いきなりポーランドが飛んだ。オレの首目掛けて飛んで、首に腕を回し、全体重を任せてくる。上手く抱き止められて倒れることはなんとか防いだ。後ろに何歩か下がってバランスを取っている間、ポーランドはオレの頬(と言うかほぼ顎)に頬擦りしてきた。
ふふふー♪とご機嫌だ。

「もう、危ないでしょ」

「リト丈夫だから大丈夫だってー」

「もう…」

「リト好きー、大好きー!」

「はいはい、…オレも好きだよ」

「! オレの方がもっと好き!」

「なぜ張り合う…」

そのあとはひたすら好き好き攻撃を受け、リビングのプレゼントの片付けを手伝い、料理を一緒に食べて遊んで、楽しんだ。
尚、次の日は各国遊びに(祝いに)来たので、オレはほっとかれてちょっと拗ねてた。

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