◆雑多集 守りたい 赤みがかった橙色の光が、少し毛羽立った畳を照らし出す部屋。 僕の唯一の家族である祖父が、薄暗い部屋でぼんやりと外を眺めている。 そんな光景を目にする度に、僕の心は無性に悲しく感じるんだ。 小さく丸まった背中が、祖父の寂しい気持ちをうつし出しているようで……。 だから、そんな時は、少しでも元気付けようと僕は一際、明るく接してきた。 こんな事で、祖父が元気になれたかは判らない。 それでも、僕にはこんな事しかしてあげられないんだ。 僕の命が尽きるまで、祖父を暗闇から守りたい。 →僕の正体は!? [次へ] [戻る] |