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◆一輪の花?(エムペ版)
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「お前の端た金なんかいらねーよ。お前を連れて行けば、大金もらえるしぃー」

「は?」

大金が貰える?こいつら、何を言ってるんだ?

「てな訳で、大人しくしてくれる?」

口ピアスの男はバタフライナイフを手に持ち、その切っ先を俺に突きつける。

――まじかよ。

俺、何かしたっけ?

自分でいうのもなんだけど、俺、善良な市民だと思うんだけどなあ。

「下手に抵抗しないほうがいいよ? まあ、賢い桜山学園の坊ちゃんなんだから判るよね」

冷たい刃先が、ヒタヒタと俺の頬を撫でる。

多勢に刃物。

よく見れば、鉄の棒みたいな物まで持ってる奴がいるし……ここは、ヘタに抵抗しないほうがいいかもしれない。

「わかっ」

「ぐあぁっ!」

判ったという前に、口ピアスの男が喚き声を上げた。

カシャンと音を立てながら、ナイフと小石が地面に落ちる。

その瞬間、背後から強い力で腕を引っ張られた。

体勢を崩し後ろに倒れそうになったが、倒れる前に何かに抱き止められる。

「幸田君、怪我はない?」

耳に入ってくる声は、聞き覚えのある声だ。

「尾崎!?」

そこには、荒い呼吸を繰り返す尾崎の姿があった。

尾崎は、俺に軽く笑いかけると、ナイフを突きつけてきた男達を睨む様に見据える。

「おい、何やってんだ、あいつらを捕まえろっ!」

口ピアス男の声で、男の仲間達が一斉に飛びかかってきた。

尾崎は、俺を庇う様に自身の背後にかくまうと、流れるような動きで目前の男の鳩尾に膝蹴りを入れる。

続いて、右側から襲い掛かってきた男の腹に軽く身を捻りながら肘鉄を入れ、痛みで屈みこもうとした顔に裏拳を入れた。

男は、鼻血を撒き散らしながら仰向けに倒れこむ。

「このチビッ!!」

一人の男が尾崎に掴みかかろうと腕を伸ばした。

尾崎は、その腕を流し避け、男の胸倉を掴むと、そのまま投げ飛ばす。

男は受身を取りそこねたのか、ドスンと、したたかに地面に叩き付けられ、気を失った。




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