◆死灰屠り(完/連)
プロローグ
◆◆
「ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね、ごめんね」
謝罪の言葉を口にする度に、次から次へと流れ出す涙。
耐え難い痛みに胸が張り裂けそうだ。
いや、いっそのこと張り裂けてしまえばいいのかもしれない。
張り裂けて、死んでしまえたらどんなに楽だろう。
戸惑い、躊躇う私に「早くしろ」と、周りが急き立ててくる。
逃げられない、逃げればもっと辛い目に会う。
一人は……嫌だ。
だから……ごめんなさい……
私は、ズッシリとした重みを感じる鉈(ナタ)の柄に力を入れた。
ガタガタと振るえるのを堪え、大きく振りかぶる。
そして、きつく目を閉じ――振り下ろした。
◆◆
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