短編
俺の帰る場所は(ラグナ・ザ・ブラッドエッヂ)
「待ってるね」
また、お前はそう言って俺に手を振った。
なんでだ。
なんで待っていられるんだ。
俺はお前をどれだけ寂しい思いさせてると思ってんだよ。
「いってらっしゃい。ラグナ」
お前はそういって笑う。
なんで笑って居られるんだよ。
辛くないのかよ、
悲しくないのかよ、
苦しくないのかよ、
嫌いになら無いのかよ。
「大好きだから」
頬を少し染めて言うお前、
俺の顔を見ると幸せそうな笑顔を見せた。
可愛い。
「確かに待ってるのは辛いけど」
恥ずかしそうに指をいじる。
顔をゆっくり上げて、
「ラグナは帰ってくる」
子どもみたいに笑う。
あぁ...そうか、
「だから私は待てるよ。何年経っても、しわくちゃのおばあちゃんになってもラグナのこと」
俺は何くだら無い事を考えてたんだろう。
馬鹿だな。
腕を掴んで引っ張った、胸に倒れこむ小さな体を抱き締める。
好きだ。
好きだ。
この想いをぶつけたい。
伝えたい。
好きだ。大好きだ
「好きだ」
耳元で呟く。
するとお前はボロボロと泣き出した。
俺の背中に手を回して抱き着く、
俺はソレに答えるように抱き返した。
「いってくる」
「いってらっしゃい」
そう言ってキスを交わした。
(ここなんだ。)
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