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Uターン
アイとケチャップ
「……」
「どうしたの?」
「ううん」
「何かあるんじゃないの?遠慮はいいから、ほら。早く入ってらっしゃい」
「……レインが」
「レイン?」
「……」
「また喧嘩したの」
「……うん」
「なぁに、言ってごらん」
「ピンクのえんぴつ、アイもレインも使いたかったの。取り合いになって……」
「あら」
「これ……」
「ああ、折れちゃったのね」
「ど、どうしよう。レインのえんぴつなのに……」
「レイン、怒ってたの?」
「ううん。泣いてた。おかあさんにもらったえんぴつなのにって……。あたし……」
「泣いちゃだめよ、泣いちゃ」
「だって……ぇ……」
「ね、今から、買い物に来ない?」
「?」
「えんぴつ、買おうよ。折れなくても短かったから、どうせ買わなくちゃいけなかったんだからね」
「でも……」
「だからさ、このえんぴつは二人で仲良く使うの。思い出すために買うのよ」
「わかった……」
「じゃ、謝りに行こう。レインもきっと泣き止んでるよ」
「……」
「私、素直に謝れるひとって、素晴らしいひとになれると思うの。大人でもできない人、沢山いるんだから」
「えっ、だれ?」
「うーん。テディとか」
「テディくんが!? テディくんはすごい事沢山できるのに……」
「ひねくれ者だから。素直になれないのよ」
「スナオ? ヒネクレモノ?」
「いーの、気にしないで。テディに出来ない事、アイちゃんが出来るかもしれないんだよ」
「それって、アイ、すごいんじゃない!?」
「うん。今、頑張ったら自慢できるよね」
「出来るかな……」
「大丈夫。出来るよ。ひとりでできたら、もっとすごいよね?」
「じゃ、じゃあ、言ってくる!」
「なんて言うの?」
「さっきはごめんねって言う!」
「うん、正解! 頑張ってねー!」
「はぁい!」



「あ、アイちゃん」
「うーん、ただいまー」
「おかえり。どうだったの?」
「いいよって。レインも引っ張ってごめんねって言ってた」
「レイン意外と力強いもんねー」
「マイケルとどっちが強い?」
「同じぐらいかな」
「へー」
「買い物行く?」
「うん!行く!」
「じゃあマチにいるもの聞きに行って、マイケルとダニーも連れていこっか。どうせあの二人今日はぼーっとしてるはずだから。荷物持ち」
「お菓子、買ってよ」
「作ったほうがおいしいよ?」
「じゃあ、作る!」
「明日マチに教えてもらおっか。じゃあダニーとマイケル探して。見つけたら玄関で待っててね。すぐ行くから」
「はーい!」




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