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Uターン
ロゼとケチャップ
「ローゼ!」
「わっ、なっ、何!?」
「ちょっとお願い」
「?」
「血を少し貰いたいの」
「血?」
「そー」
「何に使うの?」
「お薬。レインがね、調子崩した時に使うお薬なんだけど、もうなくなっちゃうの。あの子体のつくりが特殊でしょう、特別な薬が必要で。それに使いたいのよ」
「血を薬に……」
「狼人間の血って毒なんだけど、ネズミのシッポとヘビの目玉とカエルの舌を溶かして煮ると、あの子にきく解熱剤になるの」
「うーん……、なんかちょっと抵抗あるなぁ」
「血って買ったら高くって……」
「どれくらい?」
「400は必要だわ。買えば30000よ」
「さ、さんまん!?」
「そう……」
「さんまん……、3000あればケーキ食べ放題6回だから……」
「レインの調子にもよるけど、400だと大体半年で使い切るの。しょっちゅうじゃないし、これから……お願いできないかしら」
「う、うーん……」
「解熱剤は特に重要で……。熱に弱いみたいで、熱出した時は特に苦しそうにするのよ」
「じ、じゃあ、いいわ」
「本当!?」
「うん。レインが苦しいのはいけないわ」
「ありがとう、助かるわ……!」
「お金もないんだしね。節約できる所でやらなくっちゃ」
「用意するから。椅子、座っておいて」
「今から?」
「あっ、何か用事とかあったかしら」
「うん、あと……、一時間かな、マイケルと出掛ける予定があって」
「あら。じゃあ後でにしましょ。薬はまだ少しあるから急に熱出しても大丈夫」
「分かった」
「どこ行くの?」
「えっ?」
「お酒……はないわよね。あ、そうだ。ご飯。ご飯はどうする?」
「ご飯までには帰るよ」
「そう、よかった。マチがね、朝から張り切ってたの。新しい料理に挑戦するんですって」
「へえ!楽しみ」
「うん。だから遅くならないように、ね」
「はーい」
「どこ?」
「あ、ああ。お買い物。広場に」
「何買うの?」
「昨日だっけ。ケチャップがさ、マイケルにもう少しおしゃれになさいって言ったんでしょ?だから服が欲しいんだけど分からないから一緒にって」
「あー。同じような格好してるでしょう、目がね、もう飽きたって」
「あの人、何枚くらい服持ってるのかしら。五枚くらい?」
「そんなに持ってるかな?明るい色が似合うと思うんだけど、黒とか青とか……」
「分かる。あたしもね、ピンクとか着ればいいのにってよく思うの」
「ピンクねえ。薄いピンクなんて結構良さそうじゃない。でもピンクって男の子はちょっと恥ずかしいのかしら」
「どうだろ……」
「うん、楽しんできて。沢山買うといいわ。お金がお金がって言って服とか全然買わないから。この機会に5着くらい」
「それはちょっと買いすぎじゃあ」
「これでも足りないくらいよ。さすがに5着もないのは、ねえ」
「あの人、お金稼いでもほとんど全部渡すのよね。あんまりいいの買えないだろうから、貯金引っ張り出してきて、と」
「わっ、この中、全部お金!?」
「ええ。これ、マイケル貯金」
「マイケル貯金?」
「マイケルが渡したお金から最低限使う分とみんなの貯金分を取って、残りのお金を貯めてあるの」
「それでもこんなに?ひゃー……、こんなに沢山のお金、あたし初めて見た」
「こっちはダニー貯金ね」
「やっぱり……。マイケルより少ない」
「さん……、まん!これだけあれば沢山買えるわね。渡す時に、これはあなたのお金だって言ってあげて。じゃないと使わないから」
「うん、分かったわ」
「ロゼ、センスいいから。きっとおしゃれになるわね」
「そ、そうかな」
「帰ってご飯食べたらファションショーしましょうよ」
「いいね!みんなに生まれ変わったマイケルを見せてやらなくちゃあ!」
「うーん、楽しみね」
「あ、そろそろ下に行くよ。マイケルがお金受け取るのに時間かかりそうだから」
「いい判断ね」
「じゃ、待ってて!」
「期待してる!」




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