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Uターン
ケチャップとぼく
「ふーっ」
「?」
「掃除するから、ほら、どきなさい」
「手伝おうか」
「珍しい」
「マチが休んでるから」
「いつも手伝ってくれると嬉しいのだけど」
「勘弁してくれよ、掃除は苦手なんだ」
「ま、他は沢山手伝ってるから、いいか」
「タダで住まわせてもらってるからね。マチときみが出来ない事はサポートしなきゃ」
「いい心がけ。これからも頼むわね」
「いえいえ」
「アイは誰が見てる?」
「ロゼ」
「うん、ロゼなら大丈夫ね。レインは?」
「レインは、アシュレイが遊びに来てたから頼んだよ」
「ちょうどよかった、ダニーとカルヴィンだと心配でなんにもできないわ」
「ああ、ダニーは出かけた」
「どこへ?」
「どこかな。知らない。多分あんまり遠くへは行ってないと思うけど」
「いつ帰るか、言ってた?」
「いや」
「ああ、もう。ご飯こっちで食べるのか分からないじゃない。誰が作ってると思ってるのかしら」
「マチ」
「……そうだったわね」
「ケチャップは、みんなが心配なんだ」
「そうね。みんな、放っておいたら何をしだすか分からないし」
「それだけ?」
「……」

「別に、言いたくないのなら言わなくても」
「……何か、食べたいものはある?」
「いきなりだなあ。……そうだね、甘いものがいいな。ケーキとか」
「そのなりで、ケーキ?」
「いいじゃないか」
「いいけど」
「聞いて、どうするの?」
「料理しようかなって」
「珍しい」
「マチがいつも頑張ってるからね」
「チョコがいいな」
「チョコね」
「……できるの?」
「できるわよ」
「ふうん」
「疑ってる」
「うん」
「じゃあ楽しみにしてなさい」
「そうする」
「でも、材料ないわね。チョコなんてほとんど買わないから」
「掃除終わったら、買ってこようか」
「ほんと。じゃ、お願い。人数分、買ってきてね」
「ダニーと、アシュレイも?」
「ええ。ダニーは帰ってくるかもしれないし、アッシュにはお礼しなくちゃ」
「分かった」
「じゃ、さっさと終わらせなくちゃね。おやつの時間までには作らないと」
「……うまくできるの?」
「しつこいね」



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