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Uターン
ダニーとケチャップ
「おまち」
「なんだよ」
「こないだもらったお金、マイケルが言ってた額よりだいぶ足りないんだけど?」
「くそ、あいつ、聞かれたら何でも言いやがる」
「……何に使ったのよ」
「……銃だよ! 今のヤツ、ちょっとガタがきててさ。修理してもダメだったんだよ。本体と、部品を少しな」
「いくら?」
「たしか五万ほど」
「半分以上じゃない」
「これはオレの商売道具だぞ。なかったら金を稼げないんだよ」
「なら言ったら渡すのに」
「一回帰るのはめんどうでさ」
「……まだ一万足りないわ」
「あれはさ、マイケルと飲んだんだよ。久しぶりに勝ったからな、お祝い」
「そんなに飲んだの?」
「……」
「言ってごらんなさいよ」
「魔女つーのは、恐ろしい生き物だな」
「ごまかさないで」
「嫌だ!」
「どうして?」
「だ、だって」
「いやらしいお店?」
「それは違う!」
「服?」
「違う!」
「じゃあ、何よ」
「ま、ま……」
「はっきりしゃべって。男でしょ」
「マチに……」
「マチ?」
「似合いそうな……ネックレスがあったもんで……」
「ああ、あの、ブルーの」
「……」
「マチに聞いても教えてくれなかったわけだわ」
「他に言うなよっ。特に、マイケルには!」
「わーった、わーった」
「いいじゃない、意外とセンスいいのね」
「そうか?」
「幸せにしたげてね」
「……も、もちろんだとも!」
「あの子は体はロボットだけど、心があるから」
「そんな事、教えてもらわなくたって」
「そうね」
「……?」
「産んではないけど私の大切な子どもだもの、変なヤツにもらわれたくないわ」
「オレは……」
「もっと、稼いでね」
「……わかったよ!」
「昔ね、死ぬなら子どもがひとりでも大丈夫にしてからにしろって言った人がいて」
「まあ、それは、正論だ」
「だからね、マチが……、私のこと忘れてしまうくらい夢中になってくれるような、そんな人が見つかればいいって」
「ああ!やってみせるさ!」
「ほんと」
「お前からマチを奪って、殺してやる!この手でな!」
「ありがと……」
「楽しみにしてろ」
「こんなに嬉しい殺人予告、はじめてよ」



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