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廻るびぃだま
でっかいびぃだま

「大丈夫ですか、二人とも!?」
 彼女は斜面を滑り降り、ヴェリタ達の方へ向かった。
「え…えぇ、貴方は?」
 ヴェリタが問うと、
「しおぎです…初めてですよね」
 少々緊張しながらだが、ちゃんと‐
「ちゃんと話したの」
 うをーい!?
「そ、そうでしたっけ?」
 なんというボケw
[ヴェリ…ちゃんと話しないと」
 でもって、ヴェリタ達ひそひそ話。
[生憎、私が聞いたのは硝子戸を叩くような音…それだけだったのだ]
 話が読めん。
「あのー…二人ともー?」
「ごめん、話が見えん。サイナラ」
 ちょwwなんという体たらくwww
[待て、行くな!]
 りのが不貞腐れた子供の顔をしたwwww
[今回の依頼、早目に終わらせる]
 あ、益々不貞腐れた。
[だから…しおぎ殿に協力をして頂こう]
 あ、目に北極星。
「ナイス・アイディア!」

 不貞腐れたりのはなんだかんだ機嫌を直し、しおぎ加えた三人で道を行く。
「しおぎってさー…人間?」
 はいこの通りwww
「いえ…ガードナーっていう妖精です」
 あ、りの固まった。
「しおぎ殿もガードナーなのですか」
 はい、と言って微笑むしおぎ…その姿は、チープな表現で悪いが『天使』だ…うん。
「こう見えて私、カレージなんです」
 ガードナー同士気が合うのか、二人は意外と仲良くなった。
「そういえば…二人とも、此処へ何しに?」
 暇になったりのはといえば、周りを見回す事しかしていない。
「子供の遊び場の確保だそうです」
 言い切ったヴェリタと、ぼけ〜っとしていたりのが…しおぎに目を向けた。
「わ…わ‐」
 どうやら意味に気付いたようだ。
「私は子供じゃありませーん!!!」
 ドンマイしおぎ!
「どうして皆さん、私を其処迄子供扱いするんです!?」
 今度はしおぎが膨れた。
「大人の扱いしろってのが無茶だよ」
 確かに、しおぎの背丈は思春期ちょい手前…無理な注文。
「子供達も子供達ですよ!
 こんな危険な場所に、わざわざ遊び場作るなんて!!」
 ヴェリタと同じ事言うw
「街はちっちゃい、大人が退けと煩い」
 りのは再び耳をかっぽじる。
「一概にとは言えないけど、大人も関わってるのさ」
 そうコイツが言い切った時、重機が進む音がした。
「な、何?」
 しおぎが後ろを向く…すると、赤いブルトーザーに似た魔物が現れた。
「ブルタンプか!」
 頭はまるで牛のカラクリだ。
「デカけりゃいいって‐」
 りのが腕を引いた。
「ワケじゃねぇっ!」
 そして殴った…其処迄は問題無い。
[いった〜い]
 しかし効いてないようで、凹みが少ない。
「やっぱり物理攻撃に強いか」
 ヴェリタはカードを取り出した。
[ならばこれで‐]
 純白の蝶が空に消えた…雲行きが怪しくなる。
「『冷たい雨』!」
 叫んだ時に雫は地に落ち…ヴェリタが駆け出すと、本降りに変わった。
「こ…これは!?」
 しおぎが上を向くと、丁度目に雫が。
「きゃー!」
「りの、しおぎ殿を頼むぞ!」
 しおぎは抱えられ、レールから降りた。
「『海瀟を呼ぶ‐」
 雷鳴轟き、檸檬色の蝶が現る。
「驚異の稲妻』!!!」
 あ、蝶が凄い勢いで飛んだ。
[ヴェリタ…お前‐]
 りの顔面蒼白。
「どAHO――――おぉお!!!」
 叫ぶと同時に、雷が落ちた。

「悪かったね、迷惑掛けて」
「いえいえ」
 ウィッシュウェル・シティーホール…りのはヴェリタを背負い、呑気に立ち話。
「ブルタンプを倒せば、また暫くは遊べるだろうからさ」
 子供達の反応を見たしおぎも…少しだけだが、嬉しくなった。
「また…御会い出来たら良いですね」
 そうだな、と頷くと…会話は其処で終わり、別々になった。

「陛下ー、只今戻りましたー」
 遅かったな、と皇帝は言うが…死神は無反応。
「どうだったんだ、人間の様子は?」
 うわ…心配しないのかよ。
「え、と…特に暗い雰囲気はありませんでした」
 そうか、とだけ死神は呟き…しおぎは与えられた部屋に入った。

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あきゅろす。
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