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廻るびぃだま
ちっちゃなびぃだま

〜~†~〜~†~〜~†~〜~†~〜


【済まない、りの】
 止めろよ‐
【私達が、しっかりしていれば‐】
 言うなよ、そんな事‐
【なんでだよ】
 元はといえば、ウチの所為だってのに‐
【もう少し‐】
 止めろ、止めてくれ‐
【強かっ‐】
 そんな言葉、ウチは聞きたくない!!!
「止めろぉお!!」

〜~†~〜~†~〜~†~〜~†~〜


 叫び声と同時に、掛け布団はヴェリタの方へ飛ぶ。
[な…なんだ、夢か]
 りのはそう呟き、辺りを見渡した。
「りの…大丈夫か、お前?」
 我に返ると…ヴェリタは絵本から、何枚かカードを取り出している。
「あ、うん…大丈夫」
 そう伝えるが…クマが酷い。
「随分うなされていたらしいな。
 それでよくつまらぬ嘘を、いとも簡単に吐けるものだ」
 其処は同意する。
「昔の夢でも見たのか?」
 力無く頷くと、ヴェリタが俯く。
[そうか…済まない]

 完全に起きたヴェリタ達は、ウィッシュウェル極東の冒険者寮『東の蒼弓』を出て、ジェナの所へ向かった。
「あ…ヴェリタさんにりのさん」
 彼女は此方に気付き、声を掛ける。
「昨日は助かりました」
 その言葉にりのは首を傾げた。
「あの家、入り辛くって」
 コイツはやっと思い出したらしい。
「あぁ、なんのなんの‐」
「其処でお願いです」
 空気に罅が入った、気がした。「最も〜ぉ、今回は私個人の心配ですけど〜ぉ」
 ジェナは潤んだ瞳でりのに語り掛ける。
[[え?]]
 二人は戸惑っている!
「でも〜ぉ…どうしてもってぇ、言うのならぁ‐」
 ジェナは『涙目』を繰り出した!!
「はぁ…分かりました」
「やったぁ〜!!
 それでは今から、ウィッシュウェル鉱山に向かって下さい♪」
 ヴェリタはジェナに敗れた。

「今回は、ウチじゃないかんなー」
 りのは小指で軽く耳掃除する。
「そ…それ位分かってるわ!」
 なんだかんだでほだされる二人である。
「ま、その胸にゃ‐」
 りのの目がヴェリタの大きい胸に移る。
「慈愛の精神が詰まってるって事で!」
 とかなんとか言って、ヴェリタにダイブした!
「ちょっと…おい、離せ!」
 りのがやなこったと言うと、ヴェリタの中で何か弾けた。
[『誰も知らない私の秘密』]
 ヴェリタはカードを取り出した。
「ほゎ?」
 理解不能な単語を発したりのは、後ろを向いた。
「ちょまー!?」
 後ろには空色の、菱形を寄せ集め出来たような…なんか不思議な蝶が飛んできた。よく見ると、狼程の大きさだ。
「どぅわーっちゃあ!?」
 煙が辺りを覆う。
[けぽっ]
 りのの生焼けが完成した…ぶっちゃけマズそう。
「全く、油断も隙もないな!」
 そう言ってヴェリタが奥へ進んでいった。
「なぁなぁヴェリ、今回のクエストって?」
 聞くなり彼女は溜息。
「子供の遊び場の確保らしい。
 全く…子供は何故こんなに無茶をするのだ」
どうやら彼女、子供が苦手のようだ。
「まぁ、人間には刺激が必要なのだよ」
 ヴェリタ大袈裟な溜息。
[程々にしてくれ…そしてこっちの身になれ]
 そりゃ大概、大人に成る迄分からん。
「そういえば…りのは子供、得意そうだな」
 そうヴェリタが問えば、コイツは手を振りながら、
「簡単、来た道ですから」
 などと言う。
「そうか‐りの止まれ!」
 ヴェリタが声を荒げ、それでコイツは止まった…周りにはゴミ箱に見える蜘蛛が。
「『ガーベイジ・パイダー』か」
 ゴミ箱蜘蛛はクレーンを振り、耳障りな音を出す。
[[キィキィキィキィ‐]]
 二人とも得物に手が伸びた。
「黙ってな!」「煩いぞ!」
 二人はゴミ箱蜘蛛を倒すが、如何せん数が多い。その上、何処からかドリルが混じってきた。
「どれだけ倒せばいいのだ、全く!」
 そうヴェリタが愚痴った…その瞬間だった。
「ベリー・キャンディ☆」
 別の人物の声がした。声に応じ、薄紅の飴玉が現れる。
「スパークリング!」
 飴玉が弾け、魔物は消えていた。
「今のは…一体‐」
 ヴェリタが声のした方‐斜面の上方へ向くと、薄紅で統一されたクロスボウを持つ…しおぎがいた。

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あきゅろす。
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