*Special*
くやし涙…
「…それで、大騎いつ探険するんだよ?」
悠介は、気を取り直してそう聞く。
「うーん…千穂いつがいい?」
大騎は千穂に聞く。
「えっと。ちぃは…明日がいい!」
また、にぱっと笑う。
「明日か〜。僕は平気だけど…おい、大騎はどうなんだよ?」
悠介は大騎に聞く。
「ん?俺はいつでも平気だぜ!」
大騎はVイサインをする。
「じゃあ…明日の朝10時に秘密基地に待ち合わせ。持ち物は…お弁当と水筒あとは…。」
悠介は、どこからか出したのか紙にさらさらと書いていく。
『おやつー!!!』
大騎と千穂は同時に言う。
「おやつ…あとは、各自自分が必要な物持っていけばいいね。」
よしっと悠介は書き終わった紙を見直す。
そこで、千穂は手を挙げて
「はーい。先生〜、おやつは何円までですかぁ?」
と悠介に聞く。
大騎も千穂をまねて
「はいはーい。先生、りんごはおやつですか?」
と聞いてくる。
そんな2人を見て
「なんで、僕が先生なんだよ〜。」
と悠介は少し怒る。
「きゃ〜。先生が怒った〜。」
「こえ〜、逃げろー!」
千穂と大騎は梯子を降りていく。
「あっ、こら待て〜!」
悠介は、慌てて本などを片付けて2人のあとを追いかける。
2人は、先に地面に降りると
「じゃあね〜悠ちゃん。また明日ね〜☆」
千穂は悠介に手を振って家に帰っていく。
「じゃあな〜。のろま悠介〜。」
大騎はあっかんべーをして千穂のあとを追いかけていく。
「なっ…、卑怯だぞバカ大騎〜!!!千穂ちゃんも待ってよ〜!」
悠介は、慌てて梯子を降りるが…2人は随分先にいってしまった。
日も暮れかけていてカラスもカーカーと飛んでいた。
悠介もとぼとぼと1人で帰った。
悔し涙を我慢しながら…。
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