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*Special*
出会い
ガサガサッ…。

茂みという茂みの間を通り抜けると、少し広がった所に出る。

うさぎは、その中にある1本の木の前にいた。

そこには、1人の少年がその木に寄り掛かっていた。

「うっ…ひっく。痛いよぉ。」

どうやら、その少年はけがをしているらしく泣いていた。

「どうしたの?」

レチェーナは、その少年にたずねる。

びくっ。

少年は、おそるおそる顔を上げる。

「だれ…?」

少年のソプラノボイスと思わしき声は、少し掠れていた。

そんな少年に、レチェーナはにっこりと微笑み

「私はレチェーナ。あそこにある城に住んでいるの。」

レチェーナは、さっき通った道の方を向き森の鬱蒼とした木々の向こう側に見える真っ白い城を指差す。

「お城…?」

少年は、レチェーナの話に興味があったらしく尋ねる。

「うん、そうよ。お城だよ。私は、そこのお姫様なのw」

と言ってからあっとレチェーナは口を覆った。

なぜなら、両親である王達に言われたのだ。

簡単に正体を教えてはならないと…。

ちらっと、レチェーナは相手の様子を伺い見る。

少年は、きょとんとしていた。

「お姫様…。」

少し驚いているようだ。
「うん。あっそうだ!どうして、さっき泣いていたの?」

レチェーナはあわてて話を変える。

「あっ…えっと〜…。」

少年は下の方を見る。


それを、目で追ってみると…膝小僧から血が出ていた。

「怪我しているじゃない!?」

レチェーナは自分の髪を結っていたピンク色のリボンを解き、それを怪我した部分に巻き付ける。

「あっ、汚れちゃう!」

少年の制止に構わず、レチェーナはリボンを結び終える。

「ほら、これなら痛くないでしょ?」

レチェーナは、またにっこりと微笑む。

「うっ、うん…///」

それから、レチェーナと少年は仲良く遊びました。


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あきゅろす。
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